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尿酸値が高いと心血管イベントは増えますか?

ご訪問頂きありがとうございます。

 

今回は、尿酸値と心血管イベントの関連性についてです。

 

尿酸値と言えば、痛風が第一に頭に思い浮かぶ方も多いと思います。

 

しかし、死亡リスクなどはどうなのか、具体的には知らないので高尿酸血症と死亡に関する論文を検索したところ、以下のものがヒットしました。

 

参考文献 

Hyperuricemia and the risk for coronary heart disease morbidity and mortality   a systematic review and dose-response meta-analysis

リンク http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4728388/pdf/srep19520.pdf

 

研究デザイン:メタ分析

 

論文のPECO

P:29のコホート研究に組み入れられた958410名

E:高尿酸血症

C:非高尿酸血症

O:冠動脈性心疾患の罹患率と死亡率

 

※本研究の高尿酸血症の定義

ResultのStudy Characteristicsの13行目に、

The definition of hyperuricemia ranged from 5.6 to 7.7 mg/dl in males and from 4.7 to 7.0 mg/dl in females.

男性:5.6~7.7mg/dl 女性:4.7~7.0mg

 

一次アウトカムは明確か?

アウトカムとして、冠動脈性心疾患の罹患率と冠動脈性心疾患による死亡の2つが設定。2つあるが、どちらも有りか無しかで評価できるので明確。

 

真のアウトカムか?

いずれも患者の予後に大きな影響を及ぼしうるため、真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

Data Extraction and Quality Assessmentの1行目に、Data were carried out independently by two authors (XZ,XH, and WH) using・・・

複数の評価者が独立して選定・評価

 

評価者バイアスはさほど問題なさそう

 

2、出版バイアス

情報元:PubMed(MEDLINE)、EMBASE

 

Data Sources and Searchesの下から5行目に、No restrictions were imposed on language of publications.(言語の制約なしに検索)

 

その続きに、In addition, we scrutinized possible eligible references from relevant original papers and review articles to identify potential publications.

 

出版バイアスはさほど問題なさそう

 

但し、ResultsのHyperuricemia and Risk of CHD Morbidityの4行目にslight publication bias was observed from the Begg (P = 0.096), Egger regression tests (P = 0.267),

と記載があり、多少は出版バイアスもある可能性があるかも?

 

3、元論文バイアス

Figure1より、8つのランダム化比較試験が組み入れられている。

 

Data Extraction and Quality Assessmentの2段落目に、The Newcastle-Ottawa Scale (NOS) was used to assess the quality of studies.

ニューキャッスル・オタワ・スケール(NOS)を用いて研究の質を評価している)

 

ニューキャッスル・オタワ・スケール

個々の論文の質を評価するのに用いられる。研究グループの選択、交絡調節の質、アウトカムの評価の3項目で評価。

 

元論文バイアスもさほど問題なさそう

 

4、異質性バイアス

Figure2のI2=37.8%、Figure3のI2=64.9%。Figure2に関しては、異質性が中程度。Figure3に関しては、異質性は高い。

 

 

結果

冠動脈性心疾患の罹患率

RR1.13 (95%CI:1.05~1.21) で、高尿酸血症群の方が罹患率は高くなる傾向

I2=37.8% P=0.053

 

冠動脈性心疾患による死亡

RR=1.27 (95%CI:1.16~1.36) で、高尿酸血症群の方が死亡率は高くなる傾向

I2=64.9% P=0.000

 

 

血清尿酸値1.0mg/dl上昇に伴う冠動脈性心疾患による死亡

女性:RR=1.22 (95%CI:1.12~1.34)

I2=62.7% P=0.030

 

男性:RR=1.13 (95%CI:1.07~1.19)

I2=41.8% P=0.179

 

全体:RR=1.15 (95%CI:1.09~1.21)

I2=87.1% P=0.000

 

考察

このメタ分析の結果からは、高尿酸血症患者の方がそうでない場合に比べ、冠動脈性心疾患罹患率、冠動脈性心疾患による死亡率ともに、やや高くなる傾向と示されている。しかし、結果を見てみると異質性がやや高い。

 しかも、本研究の高尿酸血症の診断基準は、男性:5.6~7.7mg/dl 女性:4.7~7.0mgと、日本の基準より厳しめに設定されている。

 個々の研究では有意差が見られていないものが多いのに、統合すると有意差が出るというよく分からない結果となっている。この研究は、異質性も高く、結果を鵜呑みには出来ないし、関連する論文も読み込む必要がある。

 また、実際アロプリノールやフェブキソスタット、トピロキソスタットを用いることで、本当に心血管イベントが減らすことが出来るのかについても調べる必要がある。

 超高齢者においても、高尿酸血症の是正は必要なのかも検討してみたい。

 

 

今回も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。