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女性に対する低用量アスピリンは、心血管疾患の予防にどれくらい有効ですか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、先日(8/10)ブログで取り上げた、糖尿病患者に対するアスピリンの効果に関するメタ分析に含まれていたRCTのうちの1つを読んでみました。

 

こちらは、女性を対象とした研究になります。

 

 

参考文献  A Randomized Trial of Low-Dose Aspirin in the Primary Prevention of Cardiovascular Disease in Women

リンク          http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15753114

 

PMID:15753114

 

研究デザイン:ランダム化比較試験

 

ランダム化されているか?

タイトルにズバリRandomizedの記載があるのでランダム化

 

論文のPECO

P:元来健康な45歳以上の女性39,876名

E:アスピリン100mg(19,934名)

C:プラセボ(19,942名)

O:(Primary)非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管性死亡の複合アウトカム

 (Secondary)非致死性心筋梗塞、致死性・非致死性脳卒中、虚血性脳梗塞脳出血、心血管性死亡、総死亡、一過性脳虚血発作(TIA)、冠血行再建術

 

除外基準

冠動脈心疾患、脳血管疾患、がん(非黒色腫皮膚がんを除く)、その他主要な慢性疾患の既往歴、アレルギー、ピリン系・NSAIDを週1回以上服用、抗凝固薬・副腎皮質ステロイド服用、週1回以上ビタミンA、ビタミンE、βカロテン摂取、

 

サンプルサイズ

パワー86% α=5%

計算された具体的なサンプル数は記載なし

 

一次アウトカムは明確か?

3つの項目の複合エンドポイント→明確

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

 盲検化されているか?

double-blind→盲険化

 

ITT解析を行われているか?

All primary analyses were performed on an intention-to-treat basis

ITT解析

 

脱落率は結果を覆すほどあるか?

追跡率100%

 

追跡期間

10年

 

結果

非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管性死亡の複合アウトカム(Primary outcome)

 

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

522/19942件

477/19934件

0.91(0.80-1.03)

0.13

 

(Secondary outcome)

脳卒中

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

266/19942件

221/19934件

0.83(0.69-0.99)

0.04

 

虚血性脳梗塞

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

221/19942件

170/19934件

0.76(0.63-1.87)

0.009

 

脳出血

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

41/19942件

51/19934件

1.24(0.82-0.93)

0.31

 

致死性脳卒中

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

22/19942件

23/19934件

1.04(0.58-1.86)

0.90

 

非致死性脳卒中

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

244/19942件

198/19934件

0.81(0.67-0.97)

0.02

 

心筋梗塞

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

193/19942件

198/19934件

1.02(0.84-1.25)

0.83

 

致死性心筋梗塞

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

12/19942件

14/19934件

1.16(0.54-2.51)

0.83

 

非致死性心筋梗塞

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

181/19942件

184/19934件

1.01(0.83-1.24)

0.90

 

心血管因性死亡

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

126/19942件

120/19934件

0.95(0.74-1.22)

0.98

 

一過性脳虚血発作

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

238/19942件

186/19934件

0.78(0.64-0.94)

0.68

 

冠血管再灌流

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

374/19942件

389/19934件

1.04(0.90-1.20)

0.61

 

総死亡

プラセボ

アスピリン

RR(95%CI)

p値

642/19942件

609/19934件

0.95(0.85-1.06)

0.32

 

安全性

 

アスピリン群(%)

プラセボ

RR(95%CI)

消化管出血

910/19934件(4.6)

751/19942件(3.8)

1.22(1.10-1.34)

消化性潰瘍

542/19934件(2.7)

413/19942件(2.1)

1.32(1.16-1.50)

血尿

3039/19934件(15.2)

2879/19942件(14.4)

1.06(1.01-1.12)

あざ

10561/19934件(53.0)

8494/19942件(42.6)

1.40(1.37-1.45)

鼻出血

3801/19934件(19.1)

3321/19942件(16.7)

1.16(1.11-1.22)

 

感想

 Primary outcomeである、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管性死亡の複合アウトカムに関してはRR=0.91となっているが、NNTを計算してみると446名となるので、あまり効果が大きいわけではないのかなという印象である。

 Secondary outcomeのうち、プラセボ比較で有意差が出ている項目でもNNTを計算すると、やはりそこまで大きな影響はないのかなという印象。

 本研究は、比較的健康な女性を対象としていること、平均年齢がおよそ55歳とまだ若く、そこから約10年の追跡なので、差が出にくい条件なのかもしれない。

 より、高齢の患者を対象とした場合や併存疾患をもつ患者を対象とした場合どうなるかといった所も気になる。

 有害事象に関して見てみると、血尿やあざ、鼻出血などは頻度が高い感じがするが、プラセボでも頻度が高いなと感じた。

 

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。