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DAPT時のオメプラゾール併用は効果に影響ありますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、DAPT時のオメプラゾール併用に関してです。

 

以前、クロピドグレルへのPPI併用に関するメタ分析を取り上げましたが、今回はアスピリンも併用する、DAPTに対する影響です。

 

参考文献  Clopidogrel with or without Omeprazole in Coronary Artery Disease

リンク        http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20925534

 

PMID:20925534

 

研究デザイン:ランダム化、二重盲検

 

ランダム化されているか?

We randomly assigned→ランダム化されている

 

論文のPECO

P:急性冠症候群または、冠状動脈ステント留置のため、DAPT治療を受ける21歳以上の患者

E:オメプラゾール併用

C:プラセボ併用

O:(primary gastrointestinal end point)出血、胃十二指腸潰瘍・びらん、閉塞症、穿孔の複合エンドポイント

 (primary cardiovascular end point)心血管因性死亡、非致死性心筋梗塞、血行再建術、脳卒中の複合エンドポイント

 

除外基準

PPIH2ブロッカースクラルファート、ミソプロストールの長期的・短期的使用が必要な患者、びらん性食道炎の既往、胃静脈瘤、過去の内視鏡以外での胃手術、ランダム化の21日以内にクロピドグレルまたは、他のチエノピリジン系処方、研究に影響を及ぼすような抗凝固療法、最近の線溶療法

 

一次アウトカムは明確か?

→明確

 

真のアウトカムか?

primary gastrointestinal end point、primary cardiovascular end pointともに真のアウトカム

 

盲検化されているか?

不明

 

サンプルサイズ

5000名(primary gastrointestinal end pointに関して)

primary cardiovascular end pointに関してはサンプルサイズが計算されていない

 

ITT解析を行われているか?

ITT解析?

 

脱落率は結果を覆すほどあるか?

追跡率=97.1%

                

追跡期間の中央値:106日

 

結果

Gastrointestinal Outcomes(ランダム化後180日時点)

 

出血、胃十二指腸潰瘍・びらん、閉塞症、穿孔の複合エンドポイント

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

13/1876件

1.1(0.4-1.8)

<0.001

プラセボ

38/1885件

2.9(1.9-3.9)

 

胃十二指腸出血

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

1/1876件

0.1(0.0-0.3)

0.03

プラセボ

8/1885件

0.6(0.1-1.0)

 

Cardiovascular and Other Outcomes(ランダム化後180日時点)

 

心血管因性死亡、非致死性心筋梗塞、血行再建術、脳卒中の複合エンドポイント

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

55/1876件

4.9(3.4-6.4)

0.98

プラセボ

54/1885件

5.7(4.0-7.3)

 

心筋梗塞

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

14/1876件

1.2(0.5-2.0)

0.83

プラセボ

15/1885件

1.5(0.6-2.4)

 

血行再建術

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

42/1876件

4.0(2.6-5.4)

0.70

プラセボ

45/1885件

4.6(3.1-6.1)

 

脳卒中

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

4/1876件

0.2(0.0-0.5)

0.43

プラセボ

2/1885件

0.3(0.0-0.7)

 

心血管因性死亡

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

5/1876件

0.4(0.0-0.7)

0.49

プラセボ

3/1885件

0.3(0.0-0.8)

 

総死亡

 

発生件数

発生率(95%CI)

p値

オメプラゾール群

5/1876件

0.4(0.0-0.7)

1.00

プラセボ

5/1885件

1.5(0.0-1.1)

 

 

ハザード比(vsプラセボ

 

 

消化管系複合イベント

HR=0.34 (95%CI:0.18–0.63) p<0.001

 

心血管系複合イベント

HR=0.99(95%CI:0.68-1.44) p=0.96

 

心筋梗塞

HR=0.92(95%CI:0.44-1.90) p=0.81

 

血行再建術

HR=0.91(95%CI:0.59-1.38) p=0.64

 

 

感想

本研究は、メーカーがスポンサーからの資金提供打ち切り(?)のため、試験が早期終了となったようである。追跡期間が短くなっているため、心血管イベントに関してはプラセボとの比較で差が出ていない可能性がある。やはりDAPTでもPPIで消化管出血は抑制できそうである。クロピドグレルとPPI併用では、PPI併用無しと比較して心血管イベントリスクが増加する傾向にあるようなメタ分析を以前取り上げたが、DAPTだとクロピドグレルの効果減弱の影響は抑えられるのだろうか?この研究だけでは、とても心もとないので、関連論文にあたる必要がある。

 

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。