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慢性腎臓病患者は高用量のスタチンによる治療をした方がいいですか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、慢性腎臓病患者に対する厳格なスタチン療法の効果についてです。

 

参考文献  High-intensity statin therapy in patients with chronic kidney disease:
a systematic review and meta-analysis

リンク   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25979868

 

PMID:25979868

 

研究デザイン:システマティックレビュー&メタ分析

 

論文のPECO

P:慢性腎臓病患者10993名

E:高用量のスタチン療法(アトルバスタチン80mgもしくはロスバスタチン20 or 40mg)

C:低~中用量のスタチン療法(シンバスタチン20~40mg)もしくはプラセボ

O:(Primary)総死亡、脳卒中心筋梗塞心不全

  (Secondary)血清脂質、腎機能変化、有害事象

 

一次アウトカムは明確か?

→一次アウトカムとして4つあるので注意

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

2名の評価者が独立して評価

 

評価者バイアス問題なし

 

2、出版バイアス

情報元:Pubmed、Embase、Ovid、CENTRAL、ISI web of knowledge

大体のデータベースを網羅しているが、言語制限などの記載は無し

 

出版バイアスがないとは言い切れない?

 

3、元論文バイアス

質的評価がなされており、大体が低リスク

 

元論文バイアスもさほど問題なさそう

 

4、異質性バイアス

総死亡、心筋梗塞に関しては異質性が高め

 

結果

総死亡

E群:346/4748 C群:384/4645

RR0.85 (95%CI:0.67~1.09) I2=57% P=0.20 NNT=103

 

脳卒中

E群:144/4688 C群:203/4586

RR0.69 (95%CI:0.56~0.85) I2=0% P=0.0004 NNT=73

 

心筋梗塞

E群:118/3086 C群:141/3081

RR0.69 (95%CI:0.40~1.18) I2=68% P=0.17 NNT=133

 

心不全

E群:111/3050 C群:151/2957

RR0.73 (95%CI:0.48~1.13) I2=0% P=0.16 NNT=69

 

有害事象

E群:328/1698 C群:336/1688

RR0.97 (95%CI:0.85~1.11) 

 

感想

 脳卒中以外で有意差は出ていないが、いずれも厳格なスタチン療法を行った方がややリスクの減少傾向が見られる。総死亡に関しては、NNT=103、脳卒中に関してはNNT=73とまずまずなように思われる。

 本研究で用いられている厳格療法のアトルバスタチンの用量は80mg、ロスバスタチンの用量は20~40mgと、国内で用いられる最大用量より多く設定されている(国内最大用量は、アトルバスタチン:40mg、ロスバスタチン:20mg)。国内で用いられる量では、もう少し効果は小さくなるかもしれない。

 有害事象は両群で差は無いようである。総死亡や心筋梗塞などは異質性も高めなので、この研究の元論文も読んでみなければならない。本研究のみの結果からは、国内最大量とは外れているが、スタチンを国内で使える高用量で使ってみても使わなくてもいいのかも?といった印象。

 腎機能の低下患者は、そもそも服用薬剤数が多い印象なので、追加で服用する事が患者の負担になるかも重視したい。

 

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。