学生(高校生)は水道水うがいに比べて、緑茶うがいでインフルエンザを予防できますか?
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今回は、緑茶うがいとインフルエンザ発症についてです。
参考文献 Effects of green tea gargling on the prevention of influenza infection in high school students: a randomized controlled study.
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24836780
PMID:24836780
ランダム化されているか?
→されている
研究デザイン:ランダム化比較試験、オープンラベル
論文のPECO
P:静岡県の15~17歳の高校生
E:緑茶でうがいをする(384名)
C:水でうがいをする(363名)
O:(Primary) 免疫検査により検出されたインフルエンザ発生率
(Secondary)①臨床的インフルエンザ(37.8℃以上の発熱+咳、咽頭痛、頭痛、筋 肉痛のうち2つの症状)
②臨床的インフルエンザ診断がつくまでの期間
※除外基準
お茶アレルギー、6か月以内のインフルエンザ感染、免疫疾患、重篤な心疾患、呼吸器疾患、腎疾患、肝機能不全
サンプルサイズ
→各群306名(パワー80%、α=5%)
一次アウトカムは明確か?
→明確
真のアウトカムか?
→真のアウトカム
盲検化されているか?
→オープンラベル
ITT解析を行われているか?
→FAS、PPSが用いられている
脱落率は結果を覆すほどあるか?
→追跡率=98.7%
追跡期間
→2011年12月1日~2012年2月28日の90日間(インフルエンザが流行する時期)
結果
免疫検査により検出されたインフルエンザ発生率
(FASの結果)
緑茶うがい(19名) vs 水道水うがい(25名) OR=0.69(95%CI:0.37-1.28)
p=0.24 NNT=52名
(PPSの結果)
緑茶うがい vs 水道水うがい OR=0.84(95%CI:0.44-1.69) p=0.66
臨床的インフルエンザ
(FASの結果)
緑茶うがい(52名) vs 水道水うがい(61名) OR=0.75(95%CI:0.50-1.13)
p=0.17 NNT=31名
(PPSの結果)
緑茶うがい(39名) vs 水道水うがい(45名) OR=0.69(95%CI:0.43-1.11)
p=0.13 NNT=22名
有害事象
→両群ともに有害事象無し
感想
高校生を対象とした研究であるため、一般人口にそのまま当てはめるわけにはいかないが、統計学上は緑茶うがいと、水道水うがいでインフルエンザの発症率は変わらないという結果。
ITT解析と比較して、有意差が出やすいと言われるFull Analysis SetやPer Protocol Setが用いられており、しかも前もって設定されたサンプルサイズと比較して、組み入れられた人数が多いにも関わらず有意差は出ていない。もしかすると、比較的体力のある高校生では、そもそもインフルエンザ発症率が低いため、差が出なかったという可能性もあるのかもしれない。
また、インフルエンザはウイルス性なので、抗菌作用を持つと言われているカテキンでも、ウイルスに対する効果は大きくないのかもしれない。
ただし、緑茶うがいをした方が、やや発症率は少なくなる傾向は見られる。有害事象は無かったという事もあり、緑茶によるうがいをしてもいいかなといった感想。他の年齢層による研究も調べてみたい。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。