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糖尿病患者にはレニン-アンギオテンシン関連薬が他の降圧薬より有効ですか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、糖尿病患者に対するACE-I、ARB使用は、その他の降圧薬(カルシウム拮抗薬、チアジド系利尿薬、βブロッカー)と比べて死亡や心血管イベントを減らす事が出来るかを検討した、システマティックレビュー&メタアナリシスの論文を読んでみました。

 

参考文献 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=26868137

 

PMID:26868137

 

研究デザイン:システマティックレビュー&メタ分析

 

論文のPECO

P:糖尿病患者25414名

E:レニン-アンギオテンシン関連薬(ACE阻害薬、ARB

C:その他の降圧薬

O:死亡、心血管死亡、心筋梗塞狭心症脳卒中心不全、血行再建術、末期腎臓病

 

 一次アウトカムは明確か?

→アウトカムが複数存在するので、結果の解釈には注意が必要

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

・3名の評価者がそれぞれ独立して論文選定・データ抽出

※意見が割れた場合は議論

 

評価者バイアスはさほど問題なさそう

 

2、出版バイアス

情報元:PubMed、EMBASE、Cochrane

・言語制限なしに論文検索されている

・その他、参考文献等も検索されている

 

→出版バイアスはさほど問題なさそう

 

 

3、元論文バイアス

Cochran risk of bias toolを用いて元論文の質を評価

→Table1より、大体がrisk of biasはlow riskである

 

元論文バイアスもさほど問題なさそう

 

4、異質性バイアス

心筋梗塞心不全、末期腎不全など異質性のやや高いものもあるが、いずれもフォレストプロットを見た感じでは同じような方向の結果が多い

 

結果

平均追跡期間:3.8年

 

死亡

RR=0.99(95%CI:0.93~1.05) I2=0%

 

心血管死亡

RR=1.02(95%CI:0.83~1.24) I2=2.5%

 

心筋梗塞

RR=0.87(95%CI:0.64~1.18) I2=48.1%

 

狭心症

RR=0.80(95%CI:0.58~1.11) I2=3.8%

 

脳卒中

RR=1.04(95%CI:0.92~1.17) I2=12.2%

 

心不全

RR=0.90(95%CI:0.76~1.07) I2=47.7%

 

血行再建術

RR=0.97(95%CI:0.77~1.22) I2=0%

 

末期腎不全

RR=0.80(95%CI:0.61~1.05) I2=48.4%

 

有害事象による薬物中止

RR=0.99(95%CI:0.78~1.28) I2=67.7%

 

サブグループ解析

・RAS vs カルシウムチャネルブロッカー RR=0.78(95%CI:0.70~0.88)I2=0%

 

・それ以外のアウトカムは、RAS vs カルシウムチャネルブロッカー、RAS vs チアジド系利尿薬、RAS vs βブロッカーの間に有意差無し

 

考察

 いずれのアウトカムも、レニン-アンギオテンシン関連薬(RAS)vs その他の降圧薬の間にほとんど差が見られなかったという結果。

 サブ解析ではあるが、カルシウムチャネルブロッカーとの比較でRASは有意に心不全を減らす事が出来る(RR=0.78  I2=0%)、そしてそのNNTは41ということで、まずまずの結果かなとは感じた。

 しかし、それ以外のアウトカムはいずれも他の降圧薬使用と比較してほぼ同等ということなので、ACE阻害薬ならまだしも、薬価が割高なARBをあえて使うと考えると、そのメリットはあまり大きくないのかもしれない。

 今回は、ACE-IとARBをひっくるめた結果だったので、ACE-Iのみ、ARBのみの結果も気になる所。元論文も読んでみようと思う。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。