重篤な低血糖を経験したことがあると、股関節骨折のリスクは高くなりますか?
ご訪問ありがとうございます。
これまで低血糖と骨折に関する論文を読んでいなかったため、今回見つけて読んでみました。残念ながら、アブストラクトしか読めませんが・・・。
参考文献 Severe hypoglycemia and hip fracture in patients with type 2 diabetes: a nationwide population-based cohort study.
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28374044
PMID:28374044
研究デザイン:コホート研究
論文のPECO
P:2型糖尿病患者
E:重篤な低血糖あり→2588名
C:重篤な低血糖無し→5173名
O:股関節骨折
研究対象集団の代表性
→台湾の国民健康保険データベースが用いられており、大きな問題無し
真のアウトカムか?
→真のアウトカム
調節した交絡因子は何か?
→不明
追跡期間
→中央値3.9年
結果
股関節骨折
E群:148/2588件(17.9/1000人年) vs C群:209/5173件(8.83/1000人年)
調整HR=1.71(95%CI:1.35~2.16)
※股関節骨折を起こした患者の約半数が、最初の重篤な低血糖から2年以内に股関節骨折を経験
※SU薬単独、インスリン単独、インスリン分泌促進薬+インスリンを使用している患者で、股関節骨折リスクが高い傾向に見られた
感想
低血糖を起こすと、その後の股関節骨折リスクは高くなる傾向にあるとの結果。残念ながらアブストラクトしか読めないため詳細な結果は分からないが、SU薬やインスリン使用患者は転倒に十分注意する必要がある。また、低血糖を起こしやすい患者の血糖降下薬使用は慎重に行う必要がある。
最初の重篤な低血糖から2年以内の股関節骨折の割合が高いとの結果であるため、低血糖を起こした場合は、比較的早い段階で薬剤の変更や減量も考慮する必要があるのではないかと感じた。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。