Z-drugで骨折・転倒・外傷は増えますか?

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今回は、Z-drugと骨折・転倒・外傷についてです。

 

参考文献 Z-drugs and risk for falls and fractures in older adults-a systematic review and meta-analysis.

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=29077902

 

PMID:29077902

 

研究デザイン:メタ分析

 

論文のPECO

P:18歳以上の成人

E:Z-drugあり(receiving Z-drugs)

C:Z-drug無し(control group of adults who were not treated with Z-drugs)

O:①骨折 ②転倒 ③外傷

 

※含まれているZ-drug ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、ザレプロン

 

一次アウトカムは明確か?

→明確と言える

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

・Two investigators identified and extracted independently for potential inclusion (N.T. and L.K.G.).→2名の評価者が独立してデータ抽出

 

評価者バイアスはさほど問題なさそう

 

2、出版バイアス

情報元:MEDLINE、EMBASE、crinicaitrial gov

・未出版のデータも探している

・No language or date restrictions were applied in these searches.

→言語制限なく検索されている(英語とフランス語)

 

 

出版バイアスはさほど問題なさそう

 

 

3、元論文バイアス

・5件のコホート研究と9件の症例対象研究

・Quality scoreは2点や3点という物も含まれており、全体的にあまり高くは無い印象

 

元論文バイアスは考慮する必要がありそう

 

4、異質性バイアス

→結果を参照

 

 

結果

骨折

OR1.63 (95%CI:1.42~1.87)  I2=91% p<0.00001

 

転倒

OR2.40 (95%CI:0.92~6.27) I2=95% p=0.07

 

外傷

OR2.05 (95%CI:1.95~2.15) I2=0%  p<0.00001

 

感想

 比較的安全性が高く、高齢者にも使いやすいとされているZ-drugであるが、やはり骨折リスクは高くなるという結果。転倒は有意差こそギリギリ出ていないが、OR=2.40と高くなる傾向がある。外傷もOR=2.05と高くなるという結果。少なくともZ-drugは安全で注意が必要無いとは言い切れない印象。

 ゾルピデムは女性の方が代謝が遅いという報告もあるようなので、そちらの方も調べてみようと思う。

 また、本研究の引用文献としてreferenceに記載されている論文には気になる物も多いため、そちらも読んでみようと思う。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。