【書籍紹介】2018年の個人的3冊

 ご訪問ありがとうございます。

 

 2018年も明日で終わってしまいますね。皆さんにとって、どんな1年だったでしょうか?

 

 個人的には、本を読む時間を去年までより多く確保した1年だったと思います。

 

 さて、「読めよ薬剤師」プロジェクトとして、今年発売されたオススメ書籍3冊を紹介する企画という事でございます。1年間、たくさんの本との出会いがありましたが、その中から3冊を選んでご紹介したいと思います。それぞれの分野が得意な先生方もいらっしゃると思いますが、個人的に出会えてよかったと思っている3冊です。

 

 予想ですが、3冊中2冊は他の薬剤師さんと被るのではないかと予想しています。

 

☆誰も教えてくれなかった実践薬歴

 ソクラテス先生こと山本雄一郎先生の著書「誰も教えてくれなかった実践薬歴」です。こちらは持っていらっしゃる薬剤師さんも多いのではないでしょうか?個人的に発売されるずっと前から楽しみにしていた1冊です。

 

 私自身、言われてみれば入社してから薬歴の書き方をしっかり教わったことは無く、内容はほぼ自己流になっていました。SOAPのOとAがごちゃごちゃしたりしていました。この本を読んでから、視界が晴れたような感じがしましたし、服薬指導の時の頭の使い方も変わったように思います。読み進めるにつれ、個人的にも店舗の中でも課題や反省点がいくつか見つけられました。

 

 この本には、実際に現場で役立つ知識や情報源も豊富に盛り込まれています。勉強意欲を高めてくれるような仕掛けもしてありました。個人的には「薬識」という視点が得られたことも大きく、服薬指導で早速活用しています。

 

https://www.jiho.co.jp/shop/list/detail/tabid/272/pdid/51155/Default.aspx

 

 

☆つまずきから学ぶ漢方薬

 こちらも購入されている薬剤師さんが多いかもしれませんが、岩田健太郎先生の著書「つまずきから学ぶ漢方薬」です。この本に出会うまで漢方薬はどうも苦手意識が強くて、暗記勝負みたいな漢方薬アレルギーのような状態でした。

 

 この本は、漢方薬に割り振られている番号(葛根湯なら①)順に1つ1つ解説してあります。漢方薬が、構成生薬から1つ1つ丁寧に説明されていて、個人的に非常に分かりやすかったです。漢方薬を深くというよりは、勉強の第一歩といった感じでしょうか。

 

 また、様々なエピソードやダジャレも散りばめてあって、読んでいて苦痛に感じませんでした。この本のおかげで、漢方薬へのハードルは下がったと思っています。

 

http://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=2449

 

岩田先生の著書「99.9%が誤用の抗生物質」も良かったです。

 

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334037598

 

☆3ステップで推論する副作用のみかた・考え方

 3冊目は、川口崇先生、岸田直樹先生の著書「3ステップで推論する副作用のみかた・考え方」です。

 

 現場で患者さんや医師などから「この症状は薬の副作用かな?」と聞かれたときに、どのように考え、アプローチすればいいのか?といった内容が、具体的な症例も用いながら解説されています。

 

 起こっている症状が副作用なのかどうかの見極めは、非常に難しいと思います。患者さんや医師などから副作用かどうか聞かれたときに、添付文書を見て「副作用」の項目に記載があれば「添付文書上は記載があります」や「副作用の可能性は否定できませんね」と回答するパターンはよく見かける感じがします。でも、これって求められている回答ではないと思うんです。

 

 本書のタイトルにも付けられている「3ステップ」というのが、①被疑薬が原因であるもっともらしさを検討する、②被疑薬以外が原因であるもっともらしさを検討する、③総合的に判断しアクションする(不確かさも大切にしながら) の3つです。

 

 副作用が疑わしい症例に出会ったとき、確かに「薬が原因である」という考えしか見えなくなって、「その他の要因が原因となっている可能性は無いか?」が見え辛くなる傾向はあると思います。被疑薬以外に原因となりうる要因は無いかを考える必要があります。想像力を働かせ、いかに情報を集めるかが重要となってきます。このためには、広い視野や知識の引き出しが必要だと思います。

 

 全く知らなかった情報や調剤薬局では経験する事のない状況も多く、1度読んだだけで全てを理解する事は難しかったです。自分の知識不足を再認識させてくれるような1冊でした。こちらは時間をかけて、じっくり考えながら読み直したいと思います。

 

https://www.jiho.co.jp/shop/list/detail/tabid/272/pdid/51100/Default.aspx

 

 

 2018年はこのような専門書のみならず、ビジネス書も結構読みましたし、小説も時々読みました。普段マンガは一切読まないのですが、病院薬剤師が主人公となっている「アンサングシンデレラ」は読みました。

 

http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784199805325

 

 個人的には、櫻部由美子さん著の小説「フェルメールの街」も面白かったです。来年は大阪にフェルメール展がやってくるので、楽しみにしている所です。

 

http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=5892

 

 3冊と言いつつ6冊紹介してしまいました(;^ω^)

 

 さて、皆さんの今年のオススメの3冊はどんな本だったでしょうか?

 

 2019年も、多くの本との出会いがありますように。それでは良いお年を。