抗てんかん薬は先発品と後発品で効果に違いはありますか?
ご訪問ありがとうございます。
今回は、いつもと少し趣向が違う感じがしますが、抗てんかん薬の先発品とジェネリックの比較をしている論文です。
こちらは、アブストラクトしか読めなかったので、詳細な情報は確認できなかったですが、参考までに読んでみました。
参考文献 Comparative effectiveness of generic versus brand-name antiepileptic medications.
リンク http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26386779
PMID:26386779
研究デザイン:コホート研究
論文のPECO
P:抗てんかん薬服用を開始した患者
E:後発品の抗てんかん薬
C:先発品の抗てんかん薬
O:(Primary)てんかん発作に関連する救急治療室搬送と入院
(Secondary)骨折、頭部外傷による救急治療室搬送、14日間の治療中断が初めて起こるまでの期間(治療継続期間)
※使用された抗てんかん薬の種類
クロナゼパム、ガバペンチン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ゾニサミド
研究対象集団の代表性
問題無し(?)詳細が不明
真のアウトカムか?
真のアウトカム
調節した交絡因子は何か?マッチングされているか?
人口統計上の違い、臨床上の違い、公共医療サービス利用の違いにより傾向スコアマッチングされている(詳細は分からない)
結果
てんかん発作に関連する救急治療室搬送と入院 (Primary outcome)
HR=0.53(95%CI:0.30-0.96)
→後発品の方が先発品よりアウトカムの発生は少ない
14日間の治療中断が初めて起こるまでの期間(治療継続期間)
後発品:142.4日(SD:125.8日)
先発品:137.9日(SD:148.6日)
感想
アブストラクトしか読めないため、患者の条件やマッチングの条件の詳細な情報を得ることが出来なかった。Primary outcomeに関しては、後発品の方が優れているような感じだが、ぎりぎり有意差が出ているような感じで微妙。この研究の結果だけで、後発品の方が優れているとは言えないが、少なくとも後発品が先発品に劣っていないのではないかと考える1つのツールとしては、確認しておいていいデータかもしれない。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。