アトルバスタチンは先発品と後発品で効果は同じですか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回はアトルバスタチンの先発品と後発品の比較をした論文です。

 

参考文献 Comparative Effectiveness of Generic Atorvastatin and Lipitor® in Patients Hospitalized with an Acute Coronary Syndrome.

 

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27098970

 

PMID:27098970

 

研究デザインコホート研究

 

論文のPECO

P:65歳以上のACSによる入院ののちに退院してきた患者

E:リピトール(先発品)

C:アトルバスタチンの後発品

O:(Primary)1年以内の死亡とACS再発による入院

 (Secondary)心不全による入院、脳卒中、糖尿病の新規発症、横紋筋融解症、腎不全

 

ジェネリックは9件の会社のものが含まれている

 

研究対象集団の代表性

→一般人口を対象としているので大きな問題は無いかと思われる

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

調節した交絡因子は何か?マッチングされているか?

→傾向スコアマッチングされている(Table1参照)

 

追跡期間

→1年間

 

結果

【ベースライン】

平均年齢 76.9

 

1年以内の死亡

先発品:11.6% vs 後発品:11.6%

HR=0.99(95%CI:0.90~1.09) p=0.84

 

1年以内の死亡+ACSによる再入院(Primary outcome

先発品:17.7% vs 後発品:17.7%

HR=1.00(95%CI:0.93~1.08) p=0.94

 

感想

 Primary outcomeとしては1年以内の死亡とACS再発による入院であるが、HR=1.00(95%CI:0.93~1.08)と先発品と後発品の間に大きな差はないという結果。個人的には、死亡というアウトカムを検討するのに1年間というのはやや短い印象で、もう少し長い追跡期間になった場合の結果も気になる。

 また、Table2や本文のPrimary and Secondary Outcomesの記述を見てみると、他のアウトカムも先発品と後発品で大きな差はなさそうである。

 Limitationsの所に、However, some risk factors (eg, smoking, physical activity) were not available.と記載があり、傾向スコアマッチングはされているが、喫煙などはマッチングされていないようで、この辺りは議論の余地もありそうである。

 今回の結果を見る限りでは、少なくとも1年間という短期間の使用においては、後発品が先発品に劣るというものではなさそうである。

 

今までLimitationはあまり気にしてなかったんですが、ざっとでも見ておいた方が良さそうですね。

 

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

アトルバスタチンを増量すると心血管イベントは減らせますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回はアトルバスタチンの増量による心血管イベント抑制効果についての論文を読んでみました。

 

参考文献 Intensive lipid lowering with atorvastatin in patients with stable coronary disease.

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15755765

 

 

PMID:15755765

 

研究デザイン:ランダム化比較試験

 

論文のPECO

P:LDLコレステロール<130mg/dLの冠動脈心疾患患者10001名

E:アトルバスタチン80mg(LDL<75mg/dLを目指す)

C:アトルバスタチン10mg(LDL<100mg/dLを目指す)

O:主要心血管イベント(冠動脈心疾患による死亡、非致死性非処置関連心筋梗塞、心停止後の蘇生、致死性・非致死性脳卒中)

 

ランダム化されているか?

→ランダム化されている

 

一次アウトカムは明確か?

→明確といえる

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

盲検化されているか?

→二重盲検されている

 

均等に割り付けられているか

→均等に2群に割り付けられていると思われる

 

ITT解析を行われているか?

→ITT解析されている

 

 脱落率は結果を覆すほどあるか?

→追跡率=99.3%

 

追跡期間

→中央値4.9年

 

結果

【ベースライン】

平均年齢:10mg群:60.9±8.8歳 80mg群:61.2±8.8歳

LDLコレステロール:10mg群:98±18% 80mg群:97±18%

 

治療期間のLDLコレステロール平均値

10mg群:101mg/dL  80mg群:77mg/dL

 

主要心血管イベント(冠動脈心疾患による死亡、非致死性非処置関連心筋梗塞、心停止後の蘇生、致死性・非致死性脳卒中)→Primary outcome

10mg群:548/5006件(10.9%)vs 80mg群:434/4995件(8.7%)

HR=0.78(95%CI:0.69~0.89) p<0.001  NNT=46

 

心血管死亡

10mg群:127/5006件(2.5%)vs 80mg群:101/4995件(2.0%)

HR=0.80(95%CI:0.61~1.03) p=0.09

 

非致死性非処置関連心筋梗塞

10mg群:308/5006件(6.2%)vs 80mg群:243/4995件(4.9%)

HR=0.78(95%CI:0.66~0.93) p=0.004

 

心停止後の蘇生

10mg群:26/5006件(0.5%)vs 80mg群:25/4995件(0.5%)

HR=0.96(95%CI:0.56~1.67) p=0.89

 

致死性非致死性脳卒中

10mg群:155/5006件(3.1%)vs 80mg群:117/4995件(2.3%)

HR=0.75(95%CI:0.59~0.96) p=0.02

 

 

感想

 主要心血管イベントはアトルバスタチン10mgから80mgに増やす事で、22%減らす事が出来るという結果。NNTは46なので、その意義は個人的には小さくは無いように感じた。

  しかし、国内でのアトルバスタチンの用量は、高コレステロール血症では20mgまで、家族性高コレステロール血症では40mgなので、80mgというのは高用量である。このことから、国内で用いる事を想定する場合は解釈に注意が必要かと思う。

 LDLコレステロールに着目すると、100mg/dLを目指すより75mg/dLを目指してコントロールした方が、心血管イベントは少ないようである。ただ、これは単純にコレステロール低下による効果以外に、スタチンのプレイオトロピック効果によるものもあるのかもしれないが・・・。

 個人的には、スタチンの増量をする場合とエゼチミブを併用する場合でどうなのかが気になる。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

SSRI、SNRIは消化管出血に影響しますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

先日、とある勉強会に参加させて頂きまして、そこでSSRIと出血について話題に上がっていました。

 

正直な所、これまであまり意識していなかった部分で、非常に興味深くお話を聞いていましたが、自分でも調べてみることにしました。

 

参考文献  Use of SSRI, But Not SNRI, Increased Upper and Lower Gastrointestinal Bleeding: A Nationwide Population-Based Cohort Study in Taiwan.

リンク   https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=26579809

 

PMID:26579809

 

研究デザインコホート研究(台湾)

 

論文のPECO

P: 台湾の国民健康保険データベースに登録された一般人口

E:①SSRIを服用→8809名

   ②SNRIを服用→944名

C:SSRISNRI服用無し(Control群)→39012名

O:上部消化管出血(UGIB)、下部消化管出血(LGIB)

 

※除外基準:アルコール関連疾患、消化管の悪性腫瘍、炎症性腸疾患、試験参加以前の消化管出血

 

SSRI服用者:12週の間にSSRIを少なくとも28 DDD服用し、SNRIは服用していない

SNRI服用者:12週の間にSNRIを少なくとも28 DDD服用し、SSRIは服用していない

 

※DDD:Defined dairy dose(1日投与量)

 

SSRIフルボキサミンフルオキセチンパロキセチンセルトラリンシタロプラムエスシタロプラム

SNRIミルナシプラン、ベンラファキシン、デュロキセチン

 

研究対象集団の代表性

→台湾の国民健康保険データベースが用いられており、大きな問題無し

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

調節した交絡因子は何か?

年齢、性別、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患(CAD)、COPD、慢性腎臓病、単純性の消化性潰瘍(PUD)、肝硬変、脂質異常症、アセチルサリチル酸・NSAIDs・選択的COX-2阻害剤・ステロイド・クロピドグレル・チクロピジン・ワルファリンの使用

 

追跡期間

UGIB:中央値5.06年  LGIB:中央値5.08年

 

 結果

上部消化管出血(UGIB

SSRI vs C群 HR=1.97(95%CI:1.67~2.31) p<0.001

 

SNRI vs C群 HR=1.09(95%CI:0.58~2.04) p=0.786

 

下部消化管出血(LGIB

SSRI vs C群 HR=2.96(95%CI:2.46~3.57) p<0.001

 

SNRI vs C群 HR=0.84(95%CI:0.32~2.27) p=0.737

 

SSRI累積服用量との関連

上部消化管出血(UGIB

SSRI(28~140 DDD)vs C群 HR=2.39(95%CI:1.68~3.39) p<0.001

 

SSRI(141~280 DDD)vs C群 HR=2.39(95%CI:1.82~3.13) p<0.001

 

SSRI(>280 DDD) vs C群 HR=1.71(95%CI:1.39~2.10) p<0.001

 

下部消化管出血(LGIB

SSRI(28~140 DDD)vs C群 HR=3.77(95%CI:2.55~5.57) p<0.001

 

SSRI(141~280 DDD)vs C群 HR=3.18(95%CI:2.30~4.40) p<0.001

 

SSRI(>280 DDD) vs C群 HR=2.71(95%CI:2.15~3.41) p<0.001

 

感想

 SSRI服用と上部消化管出血(UGIB)、下部消化管出血(LGIB)の関連が示唆されている。一方で、この結果によるとSNRIは消化管出血との関連はSSRIと比較すると小さいようである。

 ただ、SSRI累積服用量と、消化管出血発生の相関は見られていない。SSRI服用初期に消化管出血が多いという事?とも思ったが、本当のところはまだ分からない。

 SSRI服用患者では、そもそもストレスに弱く、胃腸症状をきたしやすいという所も関連があるかもしれない。個人的には、交絡因子としてPPIH2ブロッカーの併用も加えてもいいんじゃないかと思った。

 また、TABLE5を見ると、SSRIとアセチルサリチル酸やNSAIDsの併用では、SSRIによる上部消化管出血リスクがさらに高くなるという結果。

 アセチルサリチル酸NSAID服用患者ではPPIの併用がなされることが多いが、これら単独処方時はPPIを併用しない例でも、SSRIとの併用時には念のためPPIの併用を考慮に入れた方がいいのかもしれない。

 「SSRI bleeding」でPubmed検索すると、他にも多数の論文が引っかかってきたので、それらにもあたってみる。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 

心房細動患者に対するNOAC vs ワルファリン

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、NOACとワルファリンの比較をしたメタ分析の論文を読んでみました。

 

参考文献 Effects of Non-Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulants Versus Warfarin in Patients With Atrial Fibrillation and Valvular Heart Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis.

 

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=28720644

フルテキスト  http://jaha.ahajournals.org/content/6/7/e005835

 

PMID:28720644

 

研究デザイン:システマティックレビュー&メタアナリシス(4つのRCTを統合)

 

論文のPECO

P:心房細動患者71526名(13574名は心臓弁膜症あり)

E:NOAC(アピキサバン、ダビガトラン、エドキサバン、リバーロキサバン)

C:ワルファリン

O:脳卒中と全身塞栓症、死亡、大出血、頭蓋内出血

 

 一次アウトカムは明確か?

→明確と判断した

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

2名の評価者が独立してデータ抽出している

 

評価者バイアスはさほど問題なさそう

 

2、出版バイアス

情報元:PubMed、Embase、Medline、CENTRAL

・言語制限なしに探している

・追加データも探している

 

出版バイアスはさほど問題なさそう

 

 

3、元論文バイアス

Cochrane risk-of-bias algorithmを用いて元論文の質を評価している

→Table1より、ほとんどの項目がLow risk

 

元論文バイアスもさほど問題なさそう

 

4、異質性バイアス

→結果を参照

 

 

結果

脳卒中と全身塞栓症

①心臓弁膜症(VHD)あり患者群

NOAC vs ワルファリン HR0.70 95CI0.600.82  I20% p0.0001

 

②心臓弁膜症(VHD)無し患者群

NOAC vs ワルファリン HR0.84 95CI0.740.94  I246% p0.004

 

③全患者

NOAC vs ワルファリン HR0.79 95CI0.710.88  I239% p0.0001

 

★死亡

①心臓弁膜症(VHD)あり患者群

NOAC vs ワルファリン HR1.01 95CI0.911.12  I20% p0.92

 

②心臓弁膜症(VHD)無し患者群

NOAC vs ワルファリン HR0.88 95CI0.820.93  I20% p0.0001

 

③全患者

NOAC vs ワルファリン HR0.91 95CI0.860.93  I27% p0.001

 

★大出血

①心臓弁膜症(VHD)あり患者群

NOAC vs ワルファリン HR0.93 95CI0.671.28  I285% p0.64

 

②心臓弁膜症(VHD)無し患者群

NOAC vs ワルファリン HR0.85 95CI0.711.02  I284% p0.07

 

③全患者

NOAC vs ワルファリン HR0.88 95CI0.751.03  I283% p0.11

 

★頭蓋内出血

①心臓弁膜症(VHD)あり患者群

NOAC vs ワルファリン HR0.47 95CI0.240.92  I286% p0.03

 

②心臓弁膜症(VHD)無し患者群

NOAC vs ワルファリン HR0.49 95CI0.420.57  I20% p0.00001

 

③全患者

NOAC vs ワルファリン HR0.48 95CI0.380.62  I270% p0.00001

 

感想

 脳卒中、全身塞栓症に関してはワルファリンと比較してNOACの方が抑制効果はあるような結果。また、VHD無しの患者では、死亡もワルファリンと比較して有意に減らしている。

 大出血に関してはワルファリンと有意差は無いが、頭蓋内出血はNOACで少ないという結果。これは、NOACが第Ⅶ因子を阻害しないという所からきている結果なのかもしれない。

 ただし、ROCKET AF試験の結果を見てみると、ワルファリンよりも大出血、頭蓋内出血ともに多い可能性がある。NOACの中でも、リバーロキサバンはやや出血リスクは高いのかもしれない。

 統合されている4つのRCTに関しては読んでおいた方が良さそうなので、また読んでみようと思う。

  

 今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

ACS後の患者に対するアログリプチンは、心血管イベント発生に影響しますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、アログリプチン vs プラセボの心血管イベントへの影響を調べた、EXAMINE試験を読んでみました。

 

参考文献 Alogliptin after acute coronary syndrome in patients with type 2 diabetes.

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23992602

 

PMID:23992602

 

研究デザイン:ランダム化比較試験(非劣勢試験)

※非劣勢マージン1.3

 

論文のPECO

P:15~90日以内に入院を要する急性心筋梗塞または不安定狭心症を発症した、2型糖尿病患者(DPP-4阻害剤、GLP-1アナログ製剤を使用していない患者が対象)

HbA1c=6.5~11.0%(インスリン製剤使用例では7.0~11.0%)

E:既存治療にアログリプチン上乗せ

C:既存治療にプラセボ上乗せ

O:(Primary) 心血管死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合アウトカム

 

※除外基準:1型糖尿病、不安定な心機能障害(NYHA分類クラスⅣの心不全、治療抵抗性狭心症、コントロール不良の狭心症、重篤な弁膜症、重篤なコントロール不良の高血圧)、スクリーニング14日以内の透析

 

※アログリプチンの用量は腎機能に応じて調整

eGFR≧60ml/min/1.73㎡ →25mg

30≧eGFR>60 ml/min/1.73㎡ →12.5mg

30 ml/min/1.73㎡≧eGFR →6.25mg

 

ランダム化されているか?

→ランダム化されている

 

一次アウトカムは明確か?

→明確といえる

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

盲検化されているか?

→二重盲検されている

 

均等に割り付けられているか

→均等に2群に割り付けられていると思われる

 

ITT解析を行われているか?

→Cox proportional-hazards models were used to analyze the time to the first occurrence of a primary or secondary end-point event among all randomly assigned patients,の記載があり。ランダム化された人数と、結果の人数が同じなのでITT解析かと・・・。

 

※非劣勢試験なので差が出にくくなると言われているITT解析ではなく、FASかPer-protocol解析の方が望ましいのではないかと思ったり・・・。

 

サンプルサイズ

→5400名(パワー91%)

 

追跡期間

→中央値18カ月

 

結果

【ベースライン】

平均年齢:E群:61.0歳 C群:61.0

HbA1c:E群:8.0±1.1% C群:8.0±1.1

 

ベースラインからのHbA1cの変化

E群:-0.33% vs  C群:+0.03%

 

★Primary outcome(心血管死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合アウトカム)

E群:305/2701件(11.3%)vs C群:316/2679件(11.8%)

HR=0.96(95%CI≦1.16) 非劣勢:p<0.001 有益性:p=0.32

 

プラセボと比較して非劣勢が示された。有益性は示されず。

 

有害事象

低血糖、急性・慢性膵炎、悪性腫瘍の発生は両群で類似

 

感想

 プラセボと比較して、アログリプチンは心血管死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合アウトカム発生について非劣勢が示された。アログリプチンで心血管イベントが減らせるかというよりは、アログリプチンで心血管イベントを増やさないかを確かめるという前提という物であるところは注意が必要かと思われる。

 一応、HbA1cはアログリプチン群でやや低下が見られたようだが、あまり大きな変化とは感じなかった。それもあってか、低血糖の発生はプラセボと大差はなかったようである。

 二重盲検が行われているようだが、HbA1cが少しの差とはいえ若干ブラインドが破綻する可能性もあるかもしれない。ただ、Primary outcomeして設定されているものは、盲検化が見破られても影響は少ないのかもしれないが。

 Discussionにも少し記述があるが、追跡期間の中央値は18か月であり、より長期的な追跡をした場合の結果は分からない。この結果をもって、DPP-4阻害薬は心血管イベントを増やさないとも言い切ることは出来ないのかなと感じた。

  また、対象患者はACS後であるし、もともと心血管イベントリスクの高い患者が多かったようで、中央値18カ月の追跡期間の間に両群11%以上の患者でイベントが発生している。心血管イベントリスクのもう少し低い患者群では差が出てくる可能性もあるのかな?

 

 まあ、「新しい薬ほど効果は優れているんだろう」みたいな固定観念は捨てて、一次情報に立ち返り、冷静に情報を吟味するという事は非常に重要だと思います。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

脳卒中を起こして間もない患者の再発はテルミサルタンで防げますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

諸事情により、更新がしばらく途絶えていましたが、再開しようと思います。

 

今回は、脳卒中を発症してから間もない患者に対するテルミサルタンの効果をみた研究です。

 

参考文献 Telmisartan to prevent recurrent stroke and cardiovascular events.

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=18753639

 

PMID:18753639

 

 

研究デザイン:ランダム化比較試験

アスピリン(25mg)+ジピリダモール(200mg) vs クロピドグレル(75mg)と、テルミサルタン vs プラセボの2×2の研究デザイン

 

ランダム化されているか?

→ランダム化されている

 

論文のPECO

P:50歳以上で、120日以内に虚血性脳卒中を起こした患者20332名

E:テルミサルタン80mg/日→10146名

C:プラセボ→10186名

O:(Primary)脳卒中の再発

 (Secondary)主要心血管イベント(心血管死亡、脳卒中の再発、心筋梗塞心不全の新規発症または再発)、糖尿病の新規発症

 

除外基準

原発性出血性脳卒中脳卒中による重篤な障害、披験薬の抗血小板薬への禁忌

 

一次アウトカムは明確か?

→明確

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

盲見化されているか?

→盲検化はされていないと思われる(血圧の変動で見破られる可能性あり)

 

ITT解析を行われているか?

→ITT解析されている

 

脱落率は結果を覆すほどあるか?

追跡率=99.4%(lost to follow upはE群51名、C群74名)

 

サンプルサイズ

20000名(パワー91%)

 

追跡期間

平均30.か月

 

結果

【ベースライン】

平均年齢 E群:66.1±8.6歳  C群:66.2±8.6歳

血圧 E群:144.1±16.4/83.8±10.5  C群:144.2±16.7/83.8±10.6

 

☆Primary outcome脳卒中の再発)

E群:880/10146件(8.7%)vs C群:934/10186件(9.2%)

HR=0.95(95%CI:0.86~1.04) p=0.23

 

☆Secondary outcome

主要心血管イベント(心血管死亡、脳卒中の再発、心筋梗塞心不全の新規発症または再発)

 

E群:1367/10146件(13.5%)vs C群:1463/10186件(14.4%)

HR=0.94(95%CI:0.87~1.01) p=0.11

 

糖尿病の新規発症

 

E群:125/10146件(1.2%)vs C群:151/10186件(1.5%)

HR=0.82(95%CI:0.65~1.04) p=0.10

 

☆有害事象

低血圧

E群:393/10146件(3.9%)vs C群:186/10186件(1.8%)

P<0.001

 

感想

 脳卒中後の患者の抗血小板療法にテルミサルタンを上乗せしても、脳卒中の再発は減らなかったという結果。脳卒中の再発防止目的として、テルミサルタンの積極的にな使用を推奨するような結果ではないかなと感じた。

 並行して行われている、アスピリン+ジピリダモール vs クロピドグレルの結果も気になるところである。

 それにしても、テルミサルタンは食事の影響を受けたり、大部分が胆汁を介して便中に排泄されたり、個性たっぷりで面白い薬だな~と個人的には感じている。さらに色々と調べてみたい。

 

 今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

7/29(土) 第5回居酒屋抄読会ツイキャス配信のご案内

ご訪問ありがとうございます。

 

7/29(土)の21:00頃から、第5回の居酒屋抄読会を開催し、リアルタイムでツイキャス配信致します。

 

今回は、大阪の梅田の居酒屋より配信予定です。

 

いつもと同じく、個室居酒屋でお酒を飲みながら、のんびりまったりゆるーくやろうと思います。

 

今回のメンバーはInao(いなお)先生、キャノン先生ぐっち先生zuratomo(ずらとも)先生ちぃ先生にいやんみやQ先生、りちおさん、リンコ先生の9名と、特別ゲストを1名お招きしまして、計10名で配信致します。いつになく大人数です!!

 

これまでの居酒屋抄読会は薬剤師のみで配信してきましたが、今回は登録販売者の、りちおさんにも参加して頂けました。非常にありがたいです!違った視点からの意見も出て、議論が白熱して盛り上がりそう(∩´∀`)∩

 

そして今回は、グルコサミン・コンドロイチンに関する論文をお題論文として選択させていただきました。

 

使用文献はこちら↓↓

Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis.

リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=16495392

 

PMID:16495392

 

 ツイキャス配信はこちらから↓↓

http://twitcasting.tv/zuratomo4

 

 

 

 

 仮想症例シナリオ

<仮想症例> ひざ痛に悩むご近所のTさん(68歳、女性)

 

貴方はドラッグストアで勤務している登録販売者。

品出しをしているとご近所のTさんが膝をさすりながら歩いて来ました。

 

貴方「こんにちは。Tさんどうされました?」

Tさん「両膝が痛くてね。冬場には歩けなくなるくらいひどくてね。テレビのCMでグルコサミンやコンドロイチンがいいって言ってたし、友達の知り合いも使ったらよくなったらしいしね。サプリかなんかでいいのあるかな?」

 

取りあえずサプリや健康食品のコーナーにご案内。

 

貴方「グルコサミンやコンドロイチンはこのあたりになります」

Tさん「どれもいい値段するのね~。これは120mg、180粒で3360円ね~。こっちは医薬品?5600円?コンドロイチンは1500mg?効果に違いってあるの?やっぱり医薬品がいいのかな?素直にお医者様にかかった方がいいのかしら?あなたはどう思う?」

貴方「A先生!」

 

Tさんに断ってから時間をもらい薬剤師のA先生に相談した貴方。

 

A先生「一緒に調べて考えてみよう」とA先生が以前読んだPharmaTribuneの記事のGoogleなどの検索サイトで日本語による情報検索方法を試してみることにしました。

https://t.co/snRXVMxTNO

 

調べてみると一次情報も載せているブログもありました。

http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2015-11-09

http://www.rda.co.jp/topics/topics3853.html

 

「GAIT研究?そんなのあるんだ!」

早速調べてみると、以下の論文に当たりました。

Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis.

 

 

 

 

以上のお題論文と仮想症例シナリオを用いて、皆さまと共に議論し、盛り上がることが出来ればと思います。

 

 今回も配信中にその都度、気軽にコメントを頂けると嬉しいですし、視聴して下さる方とも一緒に議論できればより楽しい抄読会になるのではないでしょうか。

 

 さあ、楽しい土曜日の夜です。

 

 視聴頂ける皆さまも、ぜひビールやチューハイ、ワインなど片手に持ちながら、気軽にご参加いただければと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。