朝食を摂らないと脳卒中・冠動脈心疾患に影響ありますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

ブログを昨年5/5に突然初めて、ちょうど9カ月。気付けばこれが99記事目のようです。

 

さて、99記事目の今回は、個人的に何とかしなければならないと考えている、「朝食を摂る事」について取り扱ってみようと思います。

 

私個人は、何時に寝ても朝が辛くてなかなか起きれず、結局朝食を摂らないまま出勤する日がほとんどなんです(´・ω・`)

 

これは何とかしないと思い、ちょっとでも摂れるようにこれから意識していこうと思っています。

 

さて、今回の論文は朝食を摂る頻度と、冠動脈心疾患、脳卒中の関係についてです。

 

参考文献  Association of Breakfast Intake With Incident Stroke and Coronary Heart Disease: The Japan Public Health Center-Based Study.

リンク   https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26732562

 

PMID:26732562

 

研究デザイン:前向きコホート研究

 

論文のPECO

P:心血管イベント、悪性腫瘍の既往の無い45~74歳の82,772名(男性:38,676名、女性44,096名)

E・C:1週間のうち、朝食を摂る日数別に分類(0~2日、3~4日、5~6日、7日)

O:脳卒中、冠動脈心疾患

 

 

研究対象集団の代表性

→日本の一般人口を対象にしたデータを使用しており、大きな問題は無いと思われる(ただし、東京と大阪のデータは除外されている)

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

調節した交絡因子は何か?マッチングされているか?

年齢、性別、BMI、降圧剤使用、脂質異常症治療薬使用、糖尿病治療薬使用、糖尿病の有無、喫煙、運動、睡眠時間、知覚精神的ストレス、独り暮らしかどうか、肉体労働かどうか(YES:農業、林業、漁業など NO:サラリーマン、自営業、専門家、家事、退職者、失業者など)、アルコール摂取量、野菜・果物・魚・大豆・牛乳/乳製品・ナッツ・飽和脂肪酸食物繊維・ナトリウム摂取量

 

追跡期間

→15年間

 

結果

総心血管イベント(vs朝食を週7日摂る群)

0~2日群 調整HR=1.14(1.01~1.27)

3~4日群 調整HR=1.17(0.98~1.39)

5~6日群 調整HR=0.99(0.83~1.19)

P for Trend=0.013

 

脳卒中(vs朝食を週7日摂る群)

0~2日群 調整HR=1.18(1.04~1.34)

3~4日群 調整HR=1.14(0.93~1.39)

5~6日群 調整HR=1.00(0.82~1.22)

P for Trend=0.007

 

脳出血(vs朝食を週7日摂る群)

0~2日群 調整HR=1.36(1.10~1.70)

3~4日群 調整HR=1.22(0.86~1.73)

5~6日群 調整HR=1.10(0.77~1.56)

P for Trend=0.004

 

くも膜下出血(vs朝食を週7日摂る群)

0~2日群 調整HR=1.10(0.76~1.60)

3~4日群 調整HR=0.94(0.51~1.72)

5~6日群 調整HR=0.66(0.32~1.33)

P for Trend=0.801

 

脳梗塞(vs朝食を週7日摂る群)

0~2日群 調整HR=1.10(0.92~1.30)

3~4日群 調整HR=1.13(0.86~1.47)

5~6日群 調整HR=1.03(0.79~1.33)

P for Trend=0.217

 

冠動脈心疾患(vs朝食を週7日摂る群)

0~2日群 調整HR=0.96(0.73~1.25)

3~4日群 調整HR=1.27(0.87~1.85)

5~6日群 調整HR=0.95(0.62~1.44)

P for Trend=0.974

 

感想

 今回の結果から行くと、朝食を毎日摂る群に比べ、0~2日しか摂らない群で脳卒中のうち脳出血がやや多い傾向であった。朝食を摂れない理由なども個々にあり、生活習慣などで未知の交絡も関わっているかもしれないし、この結果はそこまで強烈なインパクトのある結果ではないと感じたが、多少は朝食の摂取と脳出血の間に関連はあるのかもしれない。

 昼食を摂らなければ、仕事などに対しても影響が出ることがあるので、朝食はやはり摂っておいた方がいいと思う。

 それにしても、個人的にはなかなか朝起きれずに、優先順位が朝食<睡眠となってしまうので、何とかしたいなぁ~と…。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

関節リウマチ患者への経口ステロイドと総死亡・原因別死亡の関連

ご訪問ありがとうございます。

 

今回も引き続き、経口ステロイド関連の論文です。

 

参考文献 Oral glucocorticoid therapy and all-cause and cause-specific mortality in patients with rheumatoid arthritis: a retrospective cohort study.

リンク   https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27256352

 

PMID:27256352

 

研究デザイン:後ろ向きコホート研究

 

 

論文のPECO

P:16歳以上の関節リウマチ患者16,762名

E:グルココルチコイド使用

C:グルココルチコイド服用無し

O:総死亡・原因別死亡

 

※グルココルチコイド使用量は、プレドニゾロン等量に換算されている

 

曝露(服用)の定義

(1)Ever use:1回でもグルココルチコイドを使用したことがある患者はever user。

 

(2)Current use:グルココルチコイドを服用している期間はCurrent user。服用していない期間はnon-user。

 

(3)Current dose:1日当たりのグルココルチコイド服用量を、5mg/dayごとに区切っている。non-userは0。

 

(4)Current dose category:current doseは、non-use、0~4.9、5~7.4、7.5~14.9、15~24.9、25mg/day以上に区分わけ。

 

(5)Cumulative dose since cohort entry:エントリー後の累積グルココルチコイド使用量。1,000mgごとに区切っている。

 

(6)Cumulative dose category:グルココルチコイド累積使用量は、non-use、0~959、960~3,054、3,055~7,299、7,300mg/dayに区分わけ。

 

研究対象集団の代表性

→UKのプライマリケア電子カルテを使用なので大きな問題なさそう

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

調節した交絡因子は何か?

→性別、年齢、BMI、喫煙、社会経済的地位(SES)、ベースライン以前の1年間の累積グルココルチコイド使用量、ベースラインのカールソン併存疾患指数、メトトレキサート・ヒドロキシクロロキン・スルファサラジン・レフルノミド・ペニシラミン・アザチオプリン・シクロスポリン・金製剤の注射の使用、NSAIDの使用

 

追跡期間

→中央値6.1年

 

結果

※1日平均服用量は7.5mg、累積服用量は5.3g

 

①グルココルチコイド使用の有無による総死亡・原因別死亡発生率

総死亡

Never use:15.5/1,000人年(14.6~16.5)vs Ever use:44.0/1,000人年(42.1~46.0)

 

心血管疾患による死亡

Never use:6.40/1,000人年(5.84~7.07)vs Ever use:15.8/1,000人年(14.7~17.0)

 

腫瘍による死亡

Never use:2.87/1,000人年(2.49~3.31)vs Ever use:10.1/1,000人年(9.17~11.0)

 

呼吸器疾患による死亡

Never use:1.98/1,000人年(1.67~2.35)vs Ever use:8.46/1,000人年(7.65~9.36)

 

その他の原因による死亡

Never use:4.25/1,000人年(3.78~4.77)vs Ever use:9.74/1,000人年(8.87~10.7)

 

 

②総死亡・原因別死亡の調整ハザード比

★Ever use vs  Never use  

総死亡 調整HR=1.97(95%CI:1.81~2.15)

心血管疾患による死亡 調整HR=1.66(95%CI:1.45~1.91)

腫瘍による死亡 調整HR=3.20(95%CI:2.66~3.86)

呼吸器疾患による死亡 調整HR=2.64(95%CI:2.11~3.31)

その他の原因による死亡 調整HR=1.39(95%CI:1.16~1.66)

 

Current use vs non-useによるハザード比

総死亡 調整HR=1.77(95%CI:1.62~1.93)

心血管疾患による死亡 調整HR=1.58(95%CI:1.37~1.83)

腫瘍による死亡 調整HR=2.22(95%CI:1.84~2.68)

呼吸器疾患による死亡 調整HR=1.92(95%CI:1.57~2.36)

その他の原因による死亡 調整HR=1.69(95%CI:1.41~2.02)

 

★Current doseが5mg/day増えるごとに調節HRはどれだけ高まるか

総死亡 調整HR=1.33(95%CI:1.30~1.35)

心血管疾患による死亡 調整HR=1.21(95%CI:1.16~1.27)

腫瘍による死亡 調整HR=1.46(95%CI:1.42~1.49)

呼吸器疾患による死亡 調整HR=1.36(95%CI:1.30~1.41)

その他の原因による死亡 調整HR=1.25(95%CI:1.20~1.31)

 

★Current doseカテゴリーごとの調整ハザード比(vs non-use)

総死亡 

0~4.9mg群 調整HR=1.02(95%CI:0.87~1.20)

5.0~7.4mg群 調整HR=1.44(95%CI:1.26~1.64)

7.5~14.9mg群 調整HR=2.24(95%CI:1.98~2.54)

15.0~24.9mg群 調整HR=4.50(95%CI:3.61~5.62)

>25mg群 調整HR=11.0(95%CI:8.87~13.6)

 

心血管疾患による死亡 

0~4.9mg群 調整HR=1.10(95%CI:0.85~1.41)

5.0~7.4mg群 調整HR=1.59(95%CI:1.31~1.94)

7.5~14.9mg群 調整HR=1.96(95%CI:1.59~2.24)

15.0~24.9mg群 調整HR=2.79(95%CI:1.80~4.31)

>25mg群 調整HR=2.48(95%CI:1.23~4.99)

 

腫瘍による死亡 

0~4.9mg群 調整HR=0.79(95%CI:0.51~1.22)

5.0~7.4mg群 調整HR=1.07(95%CI:0.75~1.52)

7.5~14.9mg群 調整HR=2.34(95%CI:1.75~3.13)

15.0~24.9mg群 調整HR=8.07(95%CI:5.41~12.0)

>25mg群 調整HR=31.3(95%CI:23.5~41.9)

 

呼吸器疾患による死亡 

0~4.9mg群 調整HR=0.87(95%CI:0.57~1.33)

5.0~7.4mg群 調整HR=1.74(95%CI:1.30~2.32)

7.5~14.9mg群 調整HR=2.19(95%CI:1.62~2.97)

15.0~24.9mg群 調整HR=8.03(95%CI:5.31~12.2)

>25mg群 調整HR=11.4(95%CI:6.84~19.0)

 

その他の原因による死亡 

0~4.9mg群 調整HR=1.15(95%CI:0.85~1.57)

5.0~7.4mg群 調整HR=1.23(95%CI:0.93~1.63)

7.5~14.9mg群 調整HR=2.66(95%CI:2.09~3.38)

15.0~24.9mg群 調整HR=2.06(95%CI:1.09~3.90)

>25mg群 調整HR=6.87(95%CI:4.01~11.8)

 

累積グルココルチコイド量が1000mg増えるごとに、調整ハザード比はどれだけ高まるか

総死亡 調整HR=1.06(95%CI:1.05~1.07)

心血管疾患による死亡 調整HR=1.05(95%CI:1.04~1.07)

腫瘍による死亡 調整HR=1.06(95%CI:1.04~1.08)

呼吸器疾患による死亡 調整HR=1.07(95%CI:1.05~1.09)

その他の原因による死亡 調整HR=1.07(95%CI:105~1.08)

 

★累積グルココルチコイド量カテゴリーごとの調整ハザード比(vs non-use)

総死亡 

0~959.9mg群 調整HR=1.60(95%CI:1.42~1.81)

960~354.9mg群 調整HR=1.83(95%CI:1.62~2.07)

3055~7299.9mg群 調整HR=2.11(95%CI:1.87~2.39)

>7300mg群 調整HR=3.11(95%CI:2.74~3.52)

 

心血管疾患による死亡 

0~959.9mg群 調整HR=1.41(95%CI:1.16~1.72)

960~3054.9mg群 調整HR=1.38(95%CI:1.12~1.70)

3055~7299.9mg群 調整HR=1.91(95%CI:1.57~2.32)

>7300mg群 調整HR=2.59(95%CI:2.11~3.18)

 

腫瘍による死亡 

0~959.9mg群 調整HR=2.51(95%CI:1.97~3.21)

960~3054.9mg群 調整HR=3.84(95%CI:3.04~4.87)

3055~7299.9mg群 調整HR=3.31(95%CI:2.55~4.30)

>7300mg群 調整HR=3.85(95%CI:2.90~5.10)

 

呼吸器疾患による死亡 

0~959.9mg群 調整HR=2.18(95%CI:1.61~2.95)

960~3054.9mg群 調整HR=2.24(95%CI:1.64~3.05)

3055~7299.9mg群 調整HR=2.65(95%CI:1.95~3.61)

>7300mg群 調整HR=4.85(95%CI:3.59~6.55)

 

その他の原因による死亡 

0~959.9mg群 調整HR=1.04(95%CI:0.79~1.36)

960~3054.9mg群 調整HR=1.16(95%CI:0.88~1.52)

3055~7299.9mg群 調整HR=1.48(95%CI:1.15~1.92)

>7300mg群 調整HR=2.54(95%CI:1.98~3.25)

 

感想

 これまでに読んだ論文では、グルココルチコイド服用で、やや心血管イベントが高まる可能性が示唆されていた。今回の論文は、曝露情報の妥当性がやや劣るとされている後ろ向きコホート研究であるが、やはりグルココルチコイド服用ありvs服用無しでは、総死亡(HR=1.97)や心血管疾患による死亡(HR=1.66)、また腫瘍や呼吸器疾患による死亡も、服用あり群で若干リスクが高まる可能性が示唆されている。

 この研究結果のみで、グルココルチコイドが死亡にどの程度関連するかというのは難しい所ではある。1日25mg以上というのはあまり見かけない印象であり、症例数が少なかった影響もあるかもしれないが、少なくとも総死亡、心血管疾患による死亡、他の原因による死亡も用量依存が見られている。このことから、グルココルチコイド服用量と死亡の間には、多少なりと関連があるのではないかと感じている。

 グルココルチコイドの累積服用量に関しても、死亡との間に用量依存が見られるので、症状が安定していれば徐々に減量というのも検討してもいいのかもしれない。しかし、これまで有害事象の側面ばかり調べているので、今後は関節リウマチに対する経口ステロイドの効果の面も調べていく必要がある。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

関節リウマチ患者への低用量プレドニゾロンは、心血管イベント・死亡に影響しますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、低用量プレドニゾロンと心血管イベント・脳血管イベント・死亡に関する論文を読んでみました。

 

参考文献  Low-dose prednisolone treatment of early rheumatoid arthritis and late cardiovascular outcome and survival: 10-year follow-up of a 2-year randomised trial.

 リンク   https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=24710131

 

PMID:24710131

  

 

研究デザインコホート研究

※2年間追跡のRCTを10年まで追跡した研究

 

論文のPECO

P:早期関節リウマチ患者のうち、心血管疾患既往歴の無い223名

E:DMARDsにプレドニゾロン7.5mg/日上乗せ→112名

C:DMARDs単独→111名

O:①複合心血管イベント ②虚血性冠動脈イベント ③虚血性脳血管イベント ④死亡

※心血管イベント:急性心筋梗塞狭心症、冠動脈インターベンション、虚血性脳卒中TIA

 

研究対象集団の代表性

→南スウェーデンの農村部・都市部人口(適応を考える際は、やや注意が必要?)

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

調節した交絡因子は何か?

→年齢

 

追跡期間

→10年

 

結果

★発生件数(10年間)

心血管イベント E群:17/112(15.2%)vs C群:15/111(13.5%) p=0.72

 

虚血性冠動脈イベント E群:7/112(6.2%)vs C群:10/111(9.0%) p=0.44

 

虚血性脳血管イベント E群:10/112(8.9%)vs C群:5/111(4.5%) p=0.19

 

死亡 E群:9/112(8%)vs C群:8/111(8%) p=0.98

 

★年齢調整ハザード比

複合心血管イベント 年齢調整HR=1.8(95%CI:0.9~3.6) p=0.12

 

虚血性冠動脈イベント 年齢調整HR=0.98(95%CI:0.4~2.6) p=0.96

 

脳血管イベント 年齢調整HR=3.7(95%CI:1.2~11.4) p=0.022

 

死亡 年齢調整HR=1.6(95%CI:0.6~4.1) p=0.33

 

感想

 10年間追跡したときのイベント発生数は、いずれも大きな差は見られなかった。一方、年齢調整ハザード比で見ると、複合心血管イベント、脳血管イベント、死亡はプレドニゾロン服用群で大きい傾向が見られる。

 この中で、脳血管イベントは有意な増加イベント発生数が少ないため、たまたま差が出てしまった可能性もあるかもしれないし、調整は年齢だけでいいのかというのも、個人的に勉強不足のため分からなかった。(7.5mgが低用量か??というツッコミもあり)

 前回の論文の結果も加味して考えると、少なくともプレドニゾロン服用中は、循環器系のモニタリングや心血管イベント、脳血管イベントの兆候についても注意しておく必要があるのかなと感じた。

 

 今回の論文は、個人的にはどう捉えたらいいものか困ってしまいましたが、このモヤモヤした状況を補填するためにも、関連論文も読んでおく必要があると感じています。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

関節リウマチ患者へのグルココルチコイド使用は心血管イベントに影響しますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、関節リウマチ患者へのグルココルチコイド使用と、心血管イベントの関連についてです。

 

というのも、私が担当している施設の患者様で、関節リウマチの治療にプレドニゾロン錠を12.5mg継続で(入所前から)飲まれている患者様がいらっしゃいます。

 

この患者さん、最近心不全の疑いが出てきていまして、併用薬を見ていてプレドニゾロン、よく分からないけど怪しいなぁと思った(根拠なく)ので、少し調べてみようという事で論文を探してみました。

 

参考文献  Glucocorticoids and cardiovascular events in rheumatoid arthritis: a population-based cohort study.

リンク    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=17330254

 

PMID:17330254

 

研究デザイン:一般集団対象後ろ向きコホート研究

 

論文のPECO

P:ミネソタ州ロチェスターの関節リウマチ患者603名(9,066人年)

E:グルココルチコイド使用

①累積グルココルチコイド使用量(3分位)

②最近(3カ月以内)の使用vs過去(3カ月以上前)の使用

③1日平均服用量7.5mg/日以下vs7.5mg/日以上

C:グルココルチコイド使用無し

O:心血管イベント(心筋梗塞心不全、心血管因性死亡)発生

 

※グルココルチコイド服用量はプレドニゾロン等量に換算

 

研究対象集団の代表性

ミネソタ州ロチェスターの一般人口を対象にしており、大きな問題は無いと思われる

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

調節した交絡因子は何か?

年齢、性別、関節リウマチ発症年齢、虚血性心疾患既往歴、喫煙、高血圧、糖尿病、BMI,脂質異常症赤血球沈降速度、DMARD使用、リウマトイド因子、小関節腫脹、大関節腫脹、X線により確認される浸食・破壊、結節、リウマチ肺疾患・血管炎、関節手術

 

追跡期間

→中央値13年

 

結果

心血管イベント(心筋梗塞心不全、心血管因性死亡)発生

★全患者

①累使用量(3分位)ごとのHR(vsグルココルチコイド使用無し)

低用量(≦1,500mg) HR=1.01(95%CI:0.66~1.54)

中用量(1,500~7,000mg)  HR=1.06(95%CI:0.68~1.67)

高用量(>7,000mg)  HR=1.90(95%CI:1.28~2.82)

 

②服用タイミングごとのHR(vsグルココルチコイド使用無し)

過去(3カ月以上前)の使用  HR=1.13(95%CI:0.80~1.60)

最近(3カ月以内)の使用  HR=1.66(95%CI:1.14~2.41)

 

③1日平均使用量ごとのHR(vsグルココルチコイド使用無し)

≦7.5mg/日  HR=1.26(95%CI:0.80~2.01)

>7.5mg/日  HR=1.75(95%CI:1.05~2.91)

 

 

★リウマトイド因子陰性患者

①累使用量(3分位)ごとのHR(vsグルココルチコイド使用無し)

低用量(≦1,500mg) HR=0.48(95%CI:0.22~1.02)

中用量(1,500~7,000mg)  HR=0.71(95%CI:0.32~1.57)

高用量(>7,000mg)  HR=0.85(95%CI:0.39~1.87)

 

②服用タイミングごとのHR(vsグルココルチコイド使用無し)

過去(3カ月以上前)の使用  HR=0.70(95%CI:0.36~1.38)

最近(3カ月以内)の使用  HR=0.36(95%CI:0.11~1.20)

 

③1日平均使用量ごとのHR(vsグルココルチコイド使用無し)

≦7.5mg/日  HR=0.69(95%CI:0.27~1.74)

>7.5mg/日     -

 

 

★リウマトイド因子陽性患者

①累使用量(3分位)ごとのHR(vs RF陰性患者のグルココルチコイド使用無し)

低用量(≦1,500mg) HR=1.69(95%CI:1.00~2.88)

中用量(1,500~7,000mg)  HR=1.52(95%CI:0.84~2.74)

高用量(>7,000mg)  HR=3.06(95%CI:1.81~5.08)

 

②服用タイミングごとのHR(vs RF陰性患者のグルココルチコイド使用無し)

過去(3カ月以上前)の使用  HR=1.62(95%CI:0.92~2.86)

最近(3カ月以内)の使用  HR=3.26(95%CI:1.86~5.71)

 

③1日平均使用量ごとのHR(vs RF陰性患者のグルココルチコイド使用無し)

≦7.5mg/日  HR=2.21(95%CI:1.22~4.00)

>7.5mg/日  HR=3.13(95%CI:1.74~5.62)

 

感想

 全体としては、累積使用量が高用量、使用が最近、1日当たりの使用量が多いと、心血管イベントのHRが高くなる傾向にある。また、リウマトイド因子(RF)陽性患者では、このような傾向が見られるのに対し、RF陰性患者ではこのような傾向が見られないという所も興味深い。

 高血圧や脂質異常症・糖尿病治療薬以外の併用薬など、他にも交絡因子として取り上げた方がいいと思われる物があり、そのあたりのバイアスは多少あるのかもしれないが、少なくとも心血管イベントリスクが高く、長期服用患者、比較的高用量を服用している患者では注意が必要なのかもしれない。

 1日7.5mg以上というのは良く見かけるので、症状が安定している関節リウマチ患者では、減量を考えてもいいのかもしれないが、この辺りはこの結果だけをもって何とも言い難いので、今後検討していきたい。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

NSAID、アセトアミノフェンは心血管イベントに影響しますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、NSAIDs、アセトアミノフェンアスピリンの服用期間・服用量と心血管イベントの関連についてです。

 

参考文献 Nonsteroidal Antiinflammatory Drugs, Acetaminophen, and the Risk of Cardiovascular Events

リンク   https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=16534006

 

PMID:16534006

 

研究デザイン:前向きコホート研究

 

論文のPECO

P:心血管イベント、悪性腫瘍の既往の無い44~69歳の女性70,971名

E:NSAIDアセトアミノフェン服用あり

C:服用無し

O:主要心血管イベント(非致死性心筋梗塞、致死性冠動脈性心疾患、致死性・非致死性脳卒中)の発生

 

 

研究対象集団の代表性

→アメリカの女性看護師が対象となっており、集団を一般化するのは難しい印象

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

調節した交絡因子は何か?マッチングされているか?

年齢、親の60歳未満の心筋梗塞既往歴、糖尿病既往歴、高コレステロール血症、喫煙、BMI、運動量、閉経後ホルモン補充療法、現在のマルチビタミン使用、葉酸の使用、オメガ3系脂肪酸、飽和脂肪、アルコール摂取量、その他の鎮痛剤の使用、高血圧の既往歴

 

追跡期間

12年

 

結果

★心血管イベント(非致死性心筋梗塞、致死性冠動脈性心疾患、致死性・非致死性脳卒中)の発生

 

NSAIDs

1~4日の使用  調整RR=0.95(95%CI:0.79~1.14)

5~14日の使用  調整RR=1.00(95%CI:0.81~1.22)

15~21日の使用  調整RR=0.91(95%CI:0.67~1.23)

≧22日の使用  調整RR=1.44(95%CI:1.27~1.65)

 

アセトアミノフェン

1~4日の使用  調整RR=0.98(95%CI:0.84~1.14)

5~14日の使用  調整RR=1.09(95%CI:0.91~1.30)

15~21日の使用  調整RR=1.22(95%CI:0.95~1.56)

≧22日の使用  調整RR=1.35(95%CI:1.14~1.59)

 

アスピリン

1~4日の使用  調整RR=0.80(95%CI:0.68~0.95)

5~14日の使用  調整RR=0.85(95%CI:0.70~1.04)

15~21日の使用  調整RR=1.00(95%CI:0.80~1.26)

≧22日の使用  調整RR=1.07(95%CI:0.95~1.20)

 

★心血管イベント(非致死性心筋梗塞、致死性冠動脈性心疾患、致死性・非致死性脳卒中)の発生(1週間ごとの使用日数・使用錠数ごとの結果)

 

NSAIDs

1週間の使用日数ごとの結果(vs服用無し)

1日の服用  調整RR=1.04(95%CI:0.67~1.62)

2~3日の服用  調整RR=1.15(95%CI:0.80~1.66)

4~5日の服用  調整RR=1.33(95%CI:0.84~2.11)

≧6日の服用  調整RR=1.51(95%CI:1.16~1.98)

 

1週間の服用錠数ごとの結果(vs服用無し)

1~2錠の服用  調整RR=1.00(95%CI:0.63~1.59)

3~5錠の服用  調整RR=0.82(95%CI:0.49~1.37)

6~14錠の服用  調整RR=1.35(95%CI:1.00~1.81)

≧15錠の服用  調整RR=1.86(95%CI:1.27~2.73)

 

アセトアミノフェン

1週間の使用日数ごとの結果(vs服用無し)

1日の服用  調整RR=0.94(95%CI:0.62~1.44)

2~3日の服用  調整RR=1.28(95%CI:0.94~1.75)

4~5日の服用  調整RR=1.49(95%CI:0.99~2.24)

≧6日の服用  調整RR=1.50(95%CI:1.10~2.04)

 

1週間の服用錠数ごとの結果(vs服用無し)

1~2錠の服用  調整RR=1.19(95%CI:0.81~1.76)

3~5錠の服用  調整RR=1.16(95%CI:0.76~1.76)

6~14錠の服用  調整RR=1.47(95%CI:1.06~2.03)

≧15錠の服用  調整RR=1.68(95%CI:1.10~2.58)

 

アスピリン

1週間の使用日数ごとの結果(vs服用無し)

1日の服用  調整RR=1.00(95%CI:0.73~1.39)

2~3日の服用  調整RR=0.77(95%CI:0.50~1.20)

4~5日の服用  調整RR=0.95(95%CI:0.63~1.43)

≧6日の服用  調整RR=0.95(95%CI:0.76~1.18)

 

1週間の服用錠数ごとの結果(vs服用無し)

1~2錠の服用  調整RR=0.78(95%CI:0.58~1.06)

3~5錠の服用  調整RR=0.96(95%CI:0.71~1.29)

6~14錠の服用  調整RR=1.09(95%CI:0.83~1.42)

≧15錠の服用  調整RR=1.11(95%CI:0.58~2.11)

 

感想

 本研究の対象集団はアメリカの看護師であり、一般集団とは生活リズムなど特性の異なる点があると思われるため、結果の適用の際には注意が必要かと思う。

 NSAIDsもアセトアミノフェンも、長期に服用すると心血管イベントが増える可能性が示唆されている。個人的には、比較的安全という印象を持っていたアセトアミノフェンも、服用期間が長くなると、また服用錠数が多くなると心血管イベントリスクの上昇傾向が見られている。

 この結果から、NSAIDs、アセトアミノフェン共に、不必要な長期間または大量の内服には注意が必要で、可能であれば必要時のみの服用にとどめておいた方がいいのかもしれない。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

オセルタミビルはどれぐらい効果がありますか?

ご訪問ありがとうございます。

 

皆様の病院や薬局、地域のインフルエンザ流行状況はいかがでしょうか?

今が一番のピークなのかもしれませんね。

 

さて、先日卸の担当者さんがオセルタミビルカプセルのパンフレットを持ってこられたのですが、そこに、まだ読んだ事のない論文の情報が載せてありました。

 

自分が持っていた印象よりも効果があるような感じのデータだったのですが、ここで元論文を自分でも読んでみました。

 

参考文献 Oseltamivir treatment for influenza in adults: a meta-analysis of randomised controlled trials.

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=25640810

 

PMID:25640810

 

研究デザイン:メタ分析

 

論文のPECO

P:インフルエンザ様症状を感じて36時間以内の成人

E:オセルタミビル75mg×2回/日

C:プラセボ

O:症状(鼻づまり、咽頭痛、咳、疲労感、痛み、頭痛、悪寒または発汗)軽減までの時間

※追跡期間は21日間

 

※インフルエンザ様症状:65歳未満では38℃以上、65歳以上では37.5℃以上の発熱があり、かつ、以下のうち2つ以上の症状のあるもの(咳、のどの痛み、鼻カタル、頭痛、筋肉痛、発汗、寒気、疲労感)

 

一次アウトカムは明確か?

→明確

 

真のアウトカムか?

→症状は患者の日常生活に影響を及ぼすので真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

→記載なし

 

評価者バイアス不明

 

2、出版バイアス

情報元:ロシュがスポンサーとなって行った9つのRCT(未出版のものを含む)、Medline、PubMed、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials

 

言語制限など詳しい記載は見当たらないが、未出版の物も集められており、出版バイアスはさほど問題なさそう

 

 

3、元論文バイアス

・元論文の質的評価結果の具体的な記載は無いが、全て二重盲検が行われているRCTで、ITT解析も行われているようである。

 

FDAによりデータの質は保証されたと記載あり

 

元論文バイアスはさほど問題なし(?)

 

4、異質性バイアス

各結果のフォレストプロットを見てみると、それぞれの研究の結果は、おおよそ同じ方向を示しているようなので、大きな問題は無さそう。

 

結果

○症状改善までの時間(time ratio

Intention-to-treat infected population(インフルエンザ確定診断を受けた患者のみ)

time ratio:0.79(0.74~0.84) p<0.0001  異質性P=0.31

症状改善までの時間の中央値 E群:97.5hr vs C群:122.7hr

両群の差:-25.2hr(95%CI:-36.2~-16.0)

 

Intention-to-treat population(全患者)

time ratio:0.85(0.80~0.90) p<0.0001 異質性P=0.46

症状改善までの時間の中央値 E群:99.4hr vs C群:117.2hr

両群の差:-17.8hr(95%CI:-27.1~-9.3)

 

Intention-to-treat not-infected population(確定診断を受けていない患者のみ)

time ratio:0.99(0.88~1.12) p=0.91 異質性P=0.46

症状改善までの時間の中央値 E群:99.4hr vs C群:117.2hr

両群の差:-17.8hr(95%CI:-27.1~-9.3)

 

※インフルエンザの確定診断を受けた患者では、症状改善までの時間を短縮。確定診断を受けていない患者では、プラセボ群とほとんど差が無い。

 

○下気道感染症の合併(インフルエンザ確定診断を受けた患者のみの結果)

E群:65/1544(4.2%) vs C群:110/1263(8.7%) 

RR=0.56(95%CI:0.42~0.75)p=0.0001 異質性:P=0.58 NNT=23名

 

○入院(インフルエンザ確定診断を受けた患者のみの結果)

E群:9/1329(0.6%) vs C群:22/1045(1.7%) 

RR=0.37(95%CI:0.17~0.81)p=0.013 異質性:P=0.97 NNT=71名

 

○有害事象

吐き気 E群:247/2401(9.9%)vs C群:118/1917(6.2%)

RR=1.60(95%CI:1.29~1.99)p<0.0001

 

嘔吐  E群:201/2401(8.0%)vs C群:63/1917(3.3%)

RR=2.43(95%CI:1.83~3.23)p<0.0001

 

感想

 このメタ分析は、ロシュが協賛しているRCTが統合されたものであり、若干のバイアスは生じている可能性はあるので、この点は念頭に置いておく必要があるかと思う。また、評価者バイアスや元論文バイアスが判断しにくいと感じた点も少し気になった。

 インフルエンザの確定診断を受けた患者では、症状軽減までの時間がプラセボ群で122.7hrのところ、オセルタミビル群で97.5hrへ短縮されたという結果。大まかにいうと、症状軽減までに約5日かかっていた所を、オセルタミビル服用により約4日に短縮できた。

 このおよそ1日の差に関しては、個人個人で大きい差と感じるか、わずかな差と感じるかは意見の分かれる所ではあると思う。仕事や家事などで、1日でも早く日常生活と同じレベルの体調に回復しなければ困る患者さんも多いと思う。そのような患者さんではオセルタミビルを服用してもらうのも1つであろう。

 また、主な合併症である下気道感染症はRR=0.56(NNT=22)へと、入院もRR=0.33(NNT=71)に有意に減らす事が出来た。肺炎リスクなどが高いと予想される患者では念のため服用した方が安心するという事もあると思う。

 いずれにせよ、この論文の結果を患者全員に当てはめるのではなく、個々の事情や想いが重視され、個々に合わせた柔軟な対応が必要となるであろう。

 今回のメタ分析に組み込まれた、個々の論文も読んでみようと思う。

 

 今年は例年よりはピークもなだらかな印象がありますが、まだまだ気が抜けない季節なので、皆様も感染しないようにお気を付け下さい。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

軽度高血圧患者は血圧を下げた方がいいですか?

ご訪問ありがとうございます。

 

今回は、収縮期血圧140~159mmHg、拡張期血圧90~99mmHgの軽度高血圧患者は積極的に血圧を下げた方がいいのかを検討したSR&MAの論文を読んでみました。

 

参考文献 Effects of blood pressure reduction in mild hypertension: a systematic review and meta-analysis.

リンク(PubMedhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=25531552

(pdf) http://www.hypertension.qc.ca/gestion/Article%20HTA%20stade%201.pdf

 

PMID:25531552

 

研究デザイン:システマティックレビュー&メタアナリシス

 

論文のPECO

P:Ⅰ度の軽度高血圧があり、(BP:140~150/90~99mmHg)過去に心血管疾患既往の無い18歳以上の患者

E:血圧を積極的に下げる(降圧薬投与)

C:血圧を積極的には下げない(プラセボまたは標準治療)

O:脳卒中、冠血管イベント、心不全、心血管死亡、総死亡

 

 

一次アウトカムは明確か?

→多くのアウトカムが含まれる点は注意が必要かと思う

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

→2名以上の評価者が独立して評価しているかの記載なし

 

評価者バイアス不明

 

2、出版バイアス

情報元:Cochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、CINAHL

・言語制限や追加データの収集に関する記載は見当たらない

 

まんべんなく集めているのかもしれないが、出版バイアスは不明

 

 

3、元論文バイアス

→元論文の質は、「Cochrane Collaboration's risk-of-bias tool」を用いて評価されている。

その結果、ほとんどがlow riskとされている。(Appendix Figure 3.より)

 

元論文バイアスはさほど問題なさそう

 

4、異質性バイアス

→各データを見てみると、異質性が特別に高いものは無さそう

 

結果

心血管イベント

OR0.86 (95%CI:0.74~1.01)  I2=2.7%  

絶対リスク減少=1.0(95%CI:-0.1~1.9)

 

冠疾患イベント(非致死性心筋梗塞、冠動脈性心疾患による死亡)

RR0.91 (95%CI:0.74~1.12)  I2=0.0%   

 

総死亡

RR0.78 (95%CI:0.67~0.92)  I2=17.0%

 

脳卒中(非致死性脳卒中、脳血管疾患による死亡)

RR0.72 (95%CI:0.55~0.94)  I2=28.9% 

 

心不全

RR0.80 (95%CI:0.57~1.12)  I2=0.0%

 

心血管死亡

RR0.75 (95%CI:0.57~0.98)  I2=0.0%

 

感想

 いずれの項目も、血圧を積極的に下げるE群の方がイベントのオッズ比は減少傾向にある。この中で有意差が確認されたのは総死亡、脳卒中、心血管死亡の3つである。

 

評価者バイアスや出版バイアスなど、バイアスの可能性を判断できず、個人的にはバイアスの可能性を捨てきれない部分がある。フォレストプロットなどから、個々の試験の結果を見てみると、オッズ比は若干減少傾向に見られるものが多い。

 

 Table2で絶対リスク減少を見てみると、いずれの項目も0.5ぐらいから1.5ぐらいの間なので、特別大きな差ではないかなぁと感じた。

 

 この論文はありがたいことに、Referencesにそれぞれの引用文献のPMIDが記載されているので、個々の文献についてもまとめて読んでみようと思う。

 

論文中に出てくる、BPLTTC(http://circ.ebm-library.jp/metaanalysis/01-01.html)試験を先に把握してから読めばよかったと後悔しているので、後日こちらも調べてみようと思う。ただし、フリーではアブストしか読めなさそう。

 

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。