ビルダグリプチンで心血管イベントは減らせますか?
ご訪問ありがとうございます。
個人的にビルダグリプチンの文献を調べる必要が出てきたのですが、その中で見つけた論文を1つ読んでみました。しかし、アブストしか読めません。
参考文献 Cardiovascular and heart failure safety profile of vildagliptin: a meta-analysis of 17 000 patients.
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26250051
PMID:26250051
研究デザイン:メタ分析
論文のPECO
P:2型糖尿病患者
E:ビルダグリプチン50mg 1日1回or 2回 →9599名
C:ビルダグリプチン服用無し(プラセボ、ビルダグリプチン以外の血糖降下薬)→7847名
O:Primary:主要心血管イベント(MACE:心筋梗塞、脳卒中、心血管死亡)
一次アウトカムは明確か?
→明確
真のアウトカムか?
→真のアウトカム
結果
【ベースライン】
年齢 平均57歳
BMI 平均30.5kg/m2
HbA1c 平均8.1%
糖尿病歴 平均5.5年
主要心血管イベント(MACE:心筋梗塞、脳卒中、心血管死亡)
ビルダグリプチン群:83/9599件(0.86%)vs C群:85/7847件(1.20%)
RR=0.82 (95%CI:0.61~1.11)
ビルダグリプチン群:41/9599件(0.43%)vs C群:32/7847件(0.45%)
RR=1.08 (95%CI:0.68~1.70)
感想
残念ながらアブストしか読めず、詳しい情報が得られないため参考程度にしか出来ないと思うが、ビルダグリプチンでMACEは減少傾向ではあるものの有意には減らないという結果。しかし、追跡期間の記載がなく、期間が短すぎたりしたのかもしれないが。
一方、Secondary outcomeではあるが、サキサグリプチンの研究(SAVOR-TIMI 53試験)で増加が示唆されていた心不全の発生は増えないという結果。
アブストしか読めないメタ分析って詳細が全然わからず、うーん、どうしようかな??って感じ・・・。現時点では、心不全リスクの高い事が予想される患者においては、やはり慎重に使用すべきかとは思う。
パブっても、ググっても、自分で探してみた感じでビルダグリプチンの真のアウトカムを検討した研究がこれしか見つけられずでした。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。