ビスホスホネートの休薬について
ご訪問ありがとうございます。
今回は、3年以上服用した患者のビスホスホネート継続vs中断で骨折に差があるかを比較した研究です。アブストしか読めませんが・・・。
参考文献 Bisphosphonate Drug Holiday and Fracture Risk: A Population-Based Cohort Study.
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29529334
PMID:29529334
研究デザイン:後ろ向きコホート研究
論文のPECO
P:3年以上ビスホスホネートを服用している45歳以上の女性39502名
E:ビスホスホネート休薬(12カ月以上中止)
C:ビスホスホネート継続(C1:アドヒアランス50%以上、C2:アドヒアランス50%未満)
O:骨粗鬆症関連骨折
研究対象集団の代表性
→問題無いと思われる(This retrospective cohort study, conducted within 4 Kaiser Permanente integrated health system regions)
真のアウトカムか?
→真のアウトカム
調節した交絡因子は何か?
→不明
結果
骨粗鬆症関連骨折
E群 vs C1群 HR=0.92 (95%CI:0.84~0.99)
E群 vs C2群 HR=0.71 (95%CI:0.65~0.79)
股関節骨折
E群 vs C1群 HR=0.95 (95%CI:0.83~1.10)
E群 vs C2群 HR=0.59 (95%CI:0.50~0.70)
椎体骨折
E群 vs C1群 HR=0.83 (95%CI:0.74~0.95)
E群 vs C2群 HR=0.68 (95%CI:0.59~0.78)
感想
アブストしか読めずに詳細は分からないが、ビスホスホネートを3年以上継続した後に中止しても、その後も継続した場合と比較して骨粗鬆症関連骨折は増えないという結果である。
これまで読んだ論文の中には、ビスホスホネートは長期服用でむしろ骨折が増える可能性を示唆するものもあった。あくまで後ろ向きコホート研究ではあるし、アブストラクトだけでは、患者背景など不明点は多いが、長期服用している患者のビスホスホネートを一旦中止しても良いか判断する際の根拠の一つぐらいには使えるのかもしれない。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。