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EPAやDHAはうつ病の重症度に影響を与えますか?

前回の記事に引き続き、今回もEPADHAに関してです。

 

昨夜、ある先生より最近はEPAうつ病等の精神科領域の関連が熱い!と教えて頂きました。

 

そこで、今日はEPAうつ病の論文を読んでみました。

 

こちらの論文はメタ分析の論文になります。

 

 

Combined application of eicosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid on depression in women: a meta-analysis of double-blind randomized controlled trials

リンクhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26300645

 

 

研究デザイン:メタ分析

 

論文のPECO

P:うつ病の18歳以上の女性367名

E:DHAEPAを服用

C:プラセボを服用

O:うつ病の重症度(HDRSやGDSなどの評価スコアを用いて評価)

 

HDRS(ハミルトンうつ評価尺度):点数が高い方がうつ病の重症度が高いことを示す。

GDS(老年期うつ病評価尺度)15の質問からなり、点数が高いほど重症度が高い。

 

一次アウトカムは明確か?

Primary outcomeとして、うつ病の重症度が設定されている。これは、HDRSやGDIなどのスコアで評価しているが、HDRSなどは妥当性や再現性が科学的に評価されているため、明確と言ってよさそう。

 

真のアウトカムか?

真のアウトカム

 

4つのバイアス

1、評価者バイアス

Date extractionの冒頭にTwo reviewers independently verified all potentially suitable studies by the inclusion/exclusion criteria and completed the data abstraction.(2人の独評価者が独立して評価)の記載がある。

 

評価者バイアスはさほど問題なさそう

 

2、出版バイアス

情報元:PubMed、Cochran、Web of Science、Embase、中国のデータベース、関連ウェブサイト

MethodのStudy selectionの9行目に、In order to mitigate language bias, no language restriction was imposed.

(言語の制約なしに検索)

 

その続きに、他に探索した情報の記載

Reference documents listed in relevant papers, conference summaries, and the International Clinical Trials Registry Platform were also researched.

 

出版バイアスはさほど問題なさそう

 

3、元論文バイアス

Figure1より、8つのランダム化比較試験が組み入れられている。

 

MethodsのBias risk assessmentの3行目以降に、Bias risk was assessed by the following items: the quality of randomization, using the allocation conceal­ment, blinding the investigators and patients, and reporting incomplete data and similar baseline clinical characteristics

ランダム化、割り付けの隠蔽化、盲検化、データの不完全性、ベースラインの類似性について論文の質が評価されている。(2人の評価者が独立して評価)

 

元論文バイアスもさほど問題なさそう

 

4、ごちゃ混ぜバイアス

Figure2のI2=78%、Figure3のI2=13%。Figure2に関しては、異質性が非常に高い。Figure3に関しては、異質性は低い。

 

 

結果

Figure2(EPADHA併用の論文も、EPA単独・DHA単独の論文も統合)

Standard mean difference=0.65 (95%CI:0.18~1.12) で、EPADHA群優位

I2=78%(p<0.0001)

 

f:id:pharm-niiyan:20160515201342p:plain

 

 

Figure3(EPAまたはDHA単独服用の論文のみ統合)

Standard mean difference=0.65 (95%CI:0.41~0.90) で、EPADHA群優位

I2=13%(p=0.33)

 

f:id:pharm-niiyan:20160515201405p:plain

 

考察

DHAEPAを服用した群の方が、うつ病の重症度は軽くなるような結果となっている。バイアスについてだが、それぞれ配慮されているようで、評価者バイアス、出版バイアス、本論文バイアスの可能性は低そうである。しかし、DHAEPAを併用した論文も含む8つの論文の結果を統合したデータ(Figure2)では、異質性バイアスがI2=78%と非常に大きくなっている。EPA単独とDHA単独の論文のみを統合したデータ(Figure3)では、異質性はI2=13%(p=0.33)と低い。それぞれのRCTに関して見てみても、大体がEPA+DHA優位の方に傾いている傾向にある。この結果から、効果が大きいか小さいかはともかくとして、多少なりともEPADHA服用でうつ病の重症度に変化は現れそうである。このメタ分析の論文だけでは、どの程度効果があるのか分からないのと、患者の年齢等も各論文で異なるようなので、それぞれのRCTに関しても読んでみる必要がありそうである。

 

 

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。