スボレキサントの安全性

ご訪問ありがとうございます。

 

前回の投稿から少し、間が空いてしまいましたが更新を再開しようと思います。

 

今回は、アブストしか読めないですがスボレキサントの有害事象についてです。

 

参考文献 Safety and efficacy of suvorexant during 1-year treatment of insomnia with subsequent abrupt treatment discontinuation: a phase 3 randomised, double-blind, placebo-controlled trial.

リンク  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=24680372

 

PMID:24680372

 

研究デザイン:ランダム化比較試験

 

ランダム化されているか?

→ランダム化されている

 

論文のPECO

P:18歳以上の特発性不眠症患者

E:スボレキサント(65歳未満:40mg、65歳以上:30mg)

C:プラセボ

O:(Primary) 安全性、忍容性

 (Secondary)1か月後の主観的総睡眠時間(sTST)、1か月後の入眠までの時間(sTSO)

 

 一次アウトカムは明確か?

→Primary outcomeは不明確な気がする

 

真のアウトカムか?

→真のアウトカムと考えられる

 

盲検化されているか?

→二重盲検されている

 

ITT解析を行われているか?

→記載なし

 

結果

・有害事象

E群:362/522件(69%)vs C群:164/258件(64%)

 

・重篤な有害事象

E群:27/522件(5%)vs C群:17/258件(7%)

 

・頻度の高かった有害事象

傾眠

E群:69/522件(13%)vs C群:7/258件(3%)

 

(有効性) 

sTST

E群:38.7分 vs  C群:16.0分 

差=22.7分(95%CI:16.4~29.0)p<0.0001

 

sTSO

E群:-18.0分 vs  C群:-8.4分 

差=-9.5分(95%CI:-14.6~-4.5)p=0.0002

 

 

感想

 アブストしか読めず、Primary outcomeが不明確な印象だったが、傾眠についてはプラセボとの比較で頻度が高くなっている。国内の用量より多い30~40mgを対象にしているが、昼間の運転や集中を要する仕事を行う方では、注意力が散漫になる可能性はあり、その点は注意が必要と感じた。 

 Secondary outcomeではあるが、総睡眠時間と睡眠潜時はプラセボとの比較でわずかに改善しているようである。ただ、このような薬は「プラセボ効果+実薬の効果」で現れてくるように思うので、総睡眠時間の38.7分の改善、睡眠潜時の18.0分の改善というのは侮れないかもしれない。あくまでもSecondary outcomeだが…。

 

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。