インスリングラルギンとインスリンデグルデクで低血糖の起こりやすさに差がありますか?
ご訪問ありがとうございます。
今回は、時効型インスリンである、インスリン デグルデクと、インスリン グラルギンの低血糖リスクを比較した研究についてです。
残念ながら、アブストラクトしか読めませんが・・・。
参考文献 Effect of Insulin Degludec vs Insulin Glargine U100 on Hypoglycemia in Patients With Type 2 Diabetes: The SWITCH 2 Randomized Clinical Trial.
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28672317
PMID:28672317
研究デザイン:ランダム化比較試験(クロスオーバー研究)
※最初の32週(16週の用量設定期間ののちに、16週の維持期間)にインスリン グラルギン→後の32週にインスリン デグルデク使用群と、最初の32週にインスリン デグルデク→後の32週にインスリン グラルギン使用群の2群に分けている。
論文のPECO
P:少なくとも1つの低血糖リスク因子をもち、基礎インスリン治療を受けている2型糖尿病患者721名
E:インスリン デグルデク
C:インスリン グラルギン100U
O:(Primary)すべての症候性低血糖(重篤な低血糖または血清グルコース≦56mg/dL)を起こした割合
(Secondary)夜間(午前0:01~5:59)の症候性低血糖を起こした割合、維持期間の重度低血糖患者割合
ランダム化されているか?
→ランダム化されている
一次アウトカムは明確か?
→明確といえる
真のアウトカムか?
→真のアウトカム
盲検化されているか?
→二重盲検されている
脱落率は結果を覆すほどあるか?
→追跡率=80.4%
追跡期間
→32週間(維持期間は16週間)
結果
【ベースライン】
平均年齢:61.4歳
(Primary outcome)維持期間に症候性低血糖(重篤な低血糖または血清グルコース≦56mg/dL)を起こした割合
インスリン デグルデク:185.6件/100人年 vs インスリン グラルギン:265.4件/100人年
リスク比=0.70(95%CI:0.61~0.80) p<0.001
低血糖発作を起こした患者割合
インスリン デグルデク:22.5% vs インスリン グラルギン:31.6%
(Secondary outcome)夜間(午前0:01~5:59)の症候性低血糖を起こした割合
インスリン デグルデク:55.2件/100人年 vs インスリン グラルギン:93.6件/100人年
リスク比=0.58(95%CI:0.46~0.74) p<0.001
夜間に低血糖発作を起こした患者割合
インスリン デグルデク:9.7% vs インスリン グラルギン:14.7%
重篤な低血糖を経験した患者割合
インスリン デグルデク:1.6% vs インスリン グラルギン:2.4%
感想
インスリン グラルギン100Uよりもインスリン デグルデクの方が、低血糖は起こしにくいことが示されている。安全性という点では、インスリン デグルデクの方が優勢かもしれない。
有効性を比較した文献については、今日は力尽きたので、また後日読んでみようと思う。
参考文献 Efficacy and Safety of Degludec versus Glargine in Type 2 Diabetes.
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28605603
PMID:28605603
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。