喘息のコントロールにフルチカゾン+ビランテロールはどうですか?
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今回は、喘息患者に対するフルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロールの効果に関する論文です。残念ながらアブストラクトしか読めない論文です。
参考文献 Effectiveness of fluticasone furoate plus vilanterol on asthma control in clinical practice: an open-label, parallel group, randomised controlled trial.
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28903864
PMID:289003864
研究デザイン:ランダム化比較試験
論文のPECO
P:18歳以上の症候性喘息と診断され吸入剤による維持療法を受けている患者
E:フルチカゾンフランカルボン酸(100 or 200㎍)+ビランテロール25㎍を1日1回吸入
C:通常ケア
O:(Primary) ベースラインのACTスコアが20点未満の患者のうち、ACTスコアが20点を上回った患者、または24週後でベースラインからACTスコアが3点以上改善した患者(レスポンダー)の割合
※ACTスコア(喘息コントロールスコア)について↓
GSKホームページより http://zensoku.jp/tools/tools_002.html
ランダム化されているか?
→ランダム化されている
一次アウトカムは明確か?
→明確といえる
真のアウトカムか?
→代用のアウトカム?
盲検化されているか?
→オープンラベル
均等に割り付けられているか
→不明
ITT解析を行われているか?
→ITT解析されている
サンプルサイズ
→サンプルサイズに関する詳細の記載が見つけられず。
脱落率は結果を覆すほどあるか?
→追跡率に関する記載が見当たらない
追跡期間
→12カ月
結果
レスポンダーの割合
E群:977/1373名(71%)vs C群:784/1399名(56%)
OR=2.00(95%CI:1.70~2.34) p<0.0001
ベースラインからの平均ACTスコアの変化
E群:4.4点 vs C群:2.8点
両群の差:1.6点(95%CI:1.3~2.0点) p<0.0001
有害事象
両群間に重篤な有害事象の発生の差はなかった。
感想
レスポンダーの割合は、フルチカゾン+ビランテロール群で有意に多いという結果。しかしながら、この研究はオープンラベルのデザインであり、このような自己評価スコアのような主観的なアウトカムでは、プラセボ効果も無視できないのではないだろうか。
また、改善したスコアの差も通常ケア群と比べて1.6点ということで、25点満点の1.6点がどの程度臨床上大きな差なのかは疑問である。
ただ、実際に現れてくる効果としては、プラセボ効果+実際の薬剤の効果となると思う。有害事象を確認するのには人数が少ないような気もするが、この人数では有害事象に差が無かったという事も踏まえ、しばらく使ってみるという選択肢もアリかなと思った。
この領域に関しては、デバイスの使い勝手という事も重要かと思う。エリプタは比較的操作も簡単だと思うが、うまく使えるかの確認も重要かなと思う。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございます。