COPD症状増悪予防へはインダカテロール/グリコピロニウムvsサルメテロール/フルチカゾンどちらがいいですか?
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諸事情により、しばらく更新が滞ってしまいました(´・ω・`)
来週土曜日に社内にて気管支喘息・COPD・インフルエンザの勉強会の講師を行う都合上、資料作成をしているのですが、その中で見つけた論文を読んでみました。
新しい文献の為、アブストしか読めないですが・・・。
参考文献 Indacaterol–Glycopyrronium versus Salmeterol–Fluticasone for COPD
リンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27181606
PMID:27181606
ランダム化されているか?
→されている
研究デザイン:ランダム化、二重盲検
論文のPECO
P:過去1年以内に増悪を起こした40歳以上のCOPD患者
E:インダカテロール110㎍+グリコピロニウム50㎍吸入 1日1回
C:サルメテロール50㎍+フルチカゾン500㎍吸入 1日2回
O:(Primary) COPD症状増悪割合
※除外基準
6週間以内の抗生剤や全身性ステロイド、入院を必要とするCOPD症状増悪、1日12時間以上の酸素療法を要する患者など
サンプルサイズ
→不明
一次アウトカムは明確か?
→明確
真のアウトカムか?
→真のアウトカム
盲検化されているか?
→されている
ITT解析を行われているか?
→不明(FASかな??)
脱落率は結果を覆すほどあるか?
追跡率=82.2%
追跡期間
52週間
結果
COPD症状の増悪率
E群(3.59%) vs C群(4.03%) 率比=0.89(95%CI:0.83-0.95) p=0.003
初回増悪までの期間
E群(71日) vs C群(51日) HR=0.84(95%CI:0.78-0.91) p<0.001
感想
本研究では、除外基準として重症のCOPD患者は除かれているようである。LABA/LAMAであるインダカテロール/グリコピロリニウム群では、ICS/LABAであるサルメテロール/フルチカゾン群に比べ症状の増悪率が低いという結果である。
資金提供は、インダカテロール/グリコピロリニウムの合剤販売元のノバルティスであるところは、やや結果を割り引いて考える必要があるかもしれない。
COPD治療ガイドラインでもICS/LABAよりはLAMA/LABAとなっているようなので、それを裏付けるデータの1つかもしれない。その他の関連論文についても読んでみる。
ただし、国内で発売されているインダカテロール/グリコピロリニウムはカプセル充填という操作が必要なブリーズヘラー製剤なので、特に高齢者などでは、操作性という点でエリプタ製剤の方がいいという患者さんも多いかもしれない。
吸入薬に関して、アドヒアランスを維持するためには、患者さんの状態に応じた適切なデバイスの選択が重要となってくることでしょう。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。